Ben Steverman (Bloomberg Businessweek金融欄記者)
米国時間2010年6月21日更新「How a Rising Yuan Could Affect U.S. Investors」
米国の投資家のあいだでは、中国の新たな為替政策が及ぼす影響について、様々な説が飛び交っている。人民元相場の切り上げで、商品(コモディティー)市場の上昇や米国の輸出増加、中国のインフレ抑制や米国のインフレ加速などの影響が予想されるが、投資家らは、こうした影響はすぐには現れないと見ている。
中国人民銀行(中央銀行)は6月19日、「人民元相場の弾力性を高める」と発表し、人民元の為替レート上昇を容認する姿勢を示した。これまで人民元相場は、中国製品の輸出促進のため、意図的に低い水準に固定されてきた。
こうした人民元相場の是正は、米国をはじめとする中国の貿易相手国が以前から要求してきたものだ。
米投資顧問会社アディソン・キャピタル・グループのマイケル・チャーチ社長は、「人民元の事実上の対ドル固定相場制は、世界に貿易不均衡をもたらしてきた」と指摘する。
米資産運用会社M&Iインベストメント・マネジメントの主席投資ストラテジスト、サンディ・リンカーン氏は、当面「人民元相場の弾力化が世界経済にもたらす最大の影響は、心理的な変化だ」と語る。
中国政府は、新しい為替政策や実施スケジュールの詳細を明らかにしていない。市場では、人民元切り上げの速度は緩やかなものにとどまるとの見方が大勢だ。
米銀大手ウェルズ・ファーゴ(WFC)のグローバルエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏は6月21日付の顧客向けリポートで、中国では「経済政策の急激な変更はまずない」と指摘。「中国政府当局は、経済に悪影響が及ぶ可能性を最小限に抑えるために、極めて慎重に対応する傾向が強い」と述べた。
今回の発表によれば、中国の為替政策は管理変動相場制に戻ることになる。管理変動相場制の下、2005〜2008年の3年間で人民元は対ドルで21%上昇した。中国は2008年以降、世界金融危機の余波から国内の輸出産業を守るため、対ドルの人民元相場を事実上固定していた。
米株式市場は小幅下落、米以外の株価は上昇
元高の実質的な影響が現れるには時間がかかるとしても、中国政府が為替制度改革を発表するだけで、市場の緊張状態を和らげる効果がある。
香港の資産運用会社バリュー・インベストメント・プリンシパルズのプリンシパル兼CIO(最高投資責任者)、サンディ・メータ氏は、「米中関係の健全化を促進するプラス材料なら何でも、世界経済にとって重要な意味がある」と指摘する。
6月21日、欧州とアジアの主要な株価指数は上昇。一方、米国の主要な株価指数はわずかに下落した。米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)500種株価指数は、前週末比0.39%の下落となった。
同日、商品市場の反応はまちまちだったが、一部の市場観測筋は、元高で原油や金属などの価格がいずれ上昇すると見ている。
ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




Bloomberg Businessweekは米ブルームバーグ社が発行するビジネス雑誌である。1929年、大恐慌の年に創刊されて以来、世界中に読者を拡大してきた。現在の読者数は約470万人を誇る。本コラムではBloomberg Businessweek誌および





