インド進出に詳しいコンサルタント、鈴木秀一先生に、あれこれ相談を持ちかけているベンチャー企業の田島春男社長。今回は、自社が国内で取り扱っているアパレル分野に関する質問です。日本では「ユニクロ」「フォーエバー21」「H&M」とファストファッションが大ブームですが、はたまたインドでは通用するのでしょうか?
| 登場人物: | |
| ・田島春男社長 | :インド進出を切望する情熱あふれるベンチャー社長。大阪出身。腰が低く、追い風には乗りたいタイプ。 |
| ・鈴木秀一先生 | :インド駐在歴20年を超える進出支援コンサルタント。自称“インドマスター”。 |
| ・ラジーブ先生 | :法務マスター。常に冷静沈着、だがそれ以上にずば抜けた営業力を持つ敏腕弁護士。日本で弁護士事務所での勤務経験あり。 |
| ・ヴァルン先生 | :インドで免許を持つ会計士で税務、会計のスペシャリスト。当然のことながら数字にはめっぽう強い。 |
| ・インディラ先生 | :経営マスター。豊富な知識量もさながらに、そこから無尽蔵のアイデアを生み出す美人カリスマ・コンサルタント。日本で政府機関での勤務経験あり。 |
田島社長:こんにちは! 前回はサービス産業のアイデアを伺いました。今回は消費関連のビジネスに関して聞かせてください!
インドで消費といえば、やはりFMCG(Fast Moving Consumer Goods:非耐久消費財)と聞いております。その中でも、特にウチの会社が日本で実績を持つアパレル分野。インド小売市場の1割近くを占めるといわれるこの分野は我々にも魅力的です。
鈴木先生:インドでは非耐久消費財をFMCGといいますが、この言葉が最初に飛び出すあたりは田島社長もよくインドビジネスを勉強しておりますな。今回は、インディラ先生とラジーブ先生に加えて、税務のスペシャリストであるヴァルン先生もお招きしています。
ヴァルン先生:よろしくお願いします。
インディラ先生:まず、インドでは農村と都市部でマーケティングの仕方が異なる点をおさえましょう。インドでは約3割の人口が都市に集住しており、他国と同じように都市化の現象は進んでいますが、もう一方で、インドでは都市の「分散化」も広まっています。つまり、100万人以上の人口を擁する第2級以上の都市が80近くもあって、それらがインド全土に分散しているんですよ。こうした都市が今後の成長の基点となっていくでしょう。
田島社長:アパレルビジネスを考える場合、こうした地域格差をどうとらえたらええんでしょう?
実は、サリーは地方によって色遣いやデザインが異なります
鈴木先生:我々外国人には違いがわかりにくいですが、サリーにも地域差があります。デリーとコルカタくらい離れた場合には色使いなどの違いが目立ちます。人口400万人以上の第1級都市と呼ばれるムンバイやデリーなどでは国際的に知名度の高い高級アパレルブランドも定着しております。これらのブランドは、ホテルやショッピングモールの一角にアンテナショップを置きつつ、訪問販売で超富豪であるハイエンドの顧客に衣料品を販売しています。
インディラ先生:これまでの普通のインド人は、近所のマーケットやキラナストアと呼ばれる個人経営の小規模店舗で服を買っていました。いわゆる日常の服、シャツやら女性用インド服などは100〜200ルピー(200〜400円程度)から購入できました。サリーなど正装はやはり高くて、3,000ルピー(6,000円程度)からオーダーメードで新調することができました。
しかしこの2〜3年でショッピングモールが増えてきて、新しい消費生活を予感させます。米国のファストファッションの代表選手「フォーエバー21」も進出してきました。

デリー近郊の新興都市グルガオンでは、ショッピングモールが大通りに並ぶ商業エリアができています。このようなショッピングモールでの価格帯は日本とそこまで差があるわけではなく、5,000ルピー(10,000円程度)のワンピースや2,000ルピー(4,000円程度)のシャツなどが売られています。二極化が進んでいることが顕著に見受けられますね。
でも、残念ながらどのモールも出店店舗がほとんど同じで、「金太郎飴」のような状態なんですよ。あるショッピングモールでは同じ建物の中に同じブランドの紳士アパレル店舗が3つもあるという状態です。その意味では日本のブランドが新しい旋風を巻き起こす余地は十分ありますね。
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