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投機資金が流入する中国ニンニク市場

相場高騰で沸き立つ生産量世界一の金郷県

2010年7月16日(金)

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 中国には古くから“蒜瘋子、姜儍子(ニンニクは気違い、生姜はあほう)”という諺がある。これはニンニクと生姜は価格が変化し、その変動が激しいことを意味しているのだと言う。

ニンニクを巡ってひと騒動(写真はイメージ)

 その諺の通り、中国ではニンニクの価格が2009年5月から急激に値上がりし、2010年4月までの1年間上昇を続けた。ニンニク価格は5月に若干値下がりしたが、6月下旬からは再度上昇に転じ、7月第2週には最高値を付けた。「中国ニンニク価格指数」<注1>によれば、2009年5月を100としたニンニクの生産地価格指数は、2009年6月:546、9月:1062、11月:1542、2010年4月:1975、そして5月に1689と一時的な下落を経ながらも上昇を続け、7月10日には2000の大台を超えて2083を記録したのである。こうしたニンニク価格の上昇をネットユーザーたちは、流行歌“算你狠(ざまあみろ)”をもじって、同じ発音の“蒜你狠(たかがニンニク)”と呼んで揶揄している。

<注1>“国際大蒜貿易網(国際ニンニク貿易ネット)が発表しているもの。なお、ニンニクは中国語で“大蒜”であり、日本語も漢字は同じ「大蒜」。

中国のみならず世界で最大の植え付け面積

 さて、中国で“大蒜之郷(ニンニクの故郷)”とか“大蒜之都(ニンニクの都)”と呼ばれるニンニクの最大生産地は山東省の西南部に位置し、孔子と孟子の出生地として名高い済寧市に属する金郷県である。金郷県は総面積885平方キロメートル(=日本の市の面積で35番目に大きい岩手県盛岡市とほぼ同じ)、耕地面積5万8000ヘクタール、人口は60万人である。金郷県のニンニク関連データをまとめると次のようになる:

【1】植え付け面積: 1989年には1万667ヘクタールに過ぎなかったが、2009年には4万6667ヘクタールとなり、中国のみならず世界最大である。
【2】形状: 直径6センチ以上のA級が70%を占める。化雨郷東劉村で生産される直径18センチ、重さ700グラムのニンニクは現状中国最大である。
【3】生産量: 60万トン前後
【4】流通量: 金郷県を流通するニンニクは160万トンに達し、中国国内で取引されるニンニクの90%を占めている。金郷県は世界最大のニンニクの集散センター、流通センター、価格形成センターとなっている。
【5】輸出: 輸出合格率は90%以上の高品質を誇り、輸出量は全国の70%以上を占める。輸出先は、日本、米国、ロシア、欧州など150カ国以上の国・地域に及ぶ。
【6】 “金郷大蒜(金郷ニンニク)”は2010年1月に国家工商管理総局により“中国馳名商標(中国著名ブランド)”として認定を受けた。

ニンニクの市場は4年周期で循環する

 ニンニクは中華料理に欠かせない重要な香味野菜であるが、それはあくまで料理の脇役であり、主役にはなれない野菜である。そんなニンニクは通常は価格も安く、その価格に注意を払う人などあまりいない。中国では2007年、2008年の2年間は、ニンニクの生産量が需要を大幅に上回り、農民は収穫したニンニクを捨てたとしても、それを拾おうとする人は誰もいなかった。

 ちなみに“金郷大蒜”の卸売価格は2008年1月にキログラム当たり1.8元(約25円)程度であったが、5月には0.18元(約3円)となり、7月には0.85元(約12円)であった。日本のスーパーで販売されているニンニクの価格は、球根1個が青森産で250円程度なのに対して中国産は100円程度だが、2008年当時の中国の産地価格は1キログラムが3~25円という安さだったのである。すなわち、1キログラム当たりの球根数を10個とすれば、中国の産地価格は球根1個当たり0.3~2.5円ということになる。

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「投機資金が流入する中国ニンニク市場」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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