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「利権と腐敗」に塗れた空軍基地にメス

オバマ政権にとっての“基地問題”

2010年7月20日(火)

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アフガン戦争を支える腐敗利権

 7月3日付『ワシントン・ポスト』紙は、米軍のアフガニスタン戦争を支えるもっとも重要な2か所の米軍基地について興味深い記事を掲載した。
 「米国防総省は、キルギスタンのマナス空軍基地とアフガニスタンのバグラム空軍基地に対する燃料供給に関して、公開入札を予定している」

 一見何の変哲もない入札関連のニュースのようだが、この情報の裏には、米国の対テロ戦争の陰で巨利を貪ってきた利権集団の知られざるストーリーが隠されている。

 キルギスタンのマナス空軍基地とアフガニスタンのバグラム空軍基地は、共にアフガニスタン戦争には不可欠な重要な兵站基地である。マナス基地は西側からアフガニスタンへのトランジット基地として、アフガニスタンで軍事作戦を展開する米軍やNATO軍などの戦闘機の補給基地として機能している。またバグラムはアフガニスタンにある最大規模の米軍基地であり、この国の米軍の軍事作戦を支える最重要拠点でもある。

 現在、この2つの空軍基地に航空機の燃料を供給しているのは、まったく無名の、しかもオーナーが一体誰なのかもわからない小さな会社である。この巨大な給油利権は、キルギス政界を過去8年間にわたって蝕み、歴代大統領とそのファミリーを堕落させてきた腐敗の温床でもあった。

 その2つの巨大利権を、今後「一般競争入札にする」というのである。米国の対テロ戦争の裏で肥大化していた利権と腐敗の一端が、オバマ政権のアフガン戦争が行き詰りを見せ、この戦争のあらゆる側面にメスが入れられる過程で次々に明らかになっている。

キルギス大統領へ資金を流すトンネル会社

 バグラムおよびマナス米空軍基地へ航空機燃料を独占的に供給しているのは、レッド・スター・エンタープライズ社とミナ・コーポレーションという会社である。レッド・スターもミナも共にロンドンにオフィスを持っているが、法人登録がされているのはタックス・ヘイブン(租税回避地)として知られる英領ジブラルタル島だ。この国の厚い会社秘密法の壁に阻まれて、レッド・スターとミナの実際の所有者がだれであるのか、いまだに明らかになっていない。

 ただこの両者の実務を取り仕切っているのが、レッド・スターとミナ両社のオペレーション・ディレクターをつとめるチャールズ・チャック・スクワイアーズであることは分かっている。チャック・スクワイアーズは、米陸軍の元中佐で、いわゆる“911テロ”以前はキルギスタンの米国大使館で防衛駐在官をつとめていた人物である。

 911テロの直後、アフガニスタン戦争を準備していた米国の要求に対して、キルギスタン政府が基地を提供することに合意したわけだが、これによりキルギスタンのマナス基地は、アフガニスタンへ物資や人を運び入れるための一大中継基地となった。無数のタンカーや航空機がこの基地に集められ、米軍のトランジット基地として機能するようになったのである。

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「「利権と腐敗」に塗れた空軍基地にメス」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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