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視聴者増でも利益が出ないサッカーW杯テレビ中継

視聴者のロイヤリティ向上をにらむ

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2010年7月22日(木)

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Sommer Saadi (Bloomberg Businessweekインターン、ニューヨーク)
米国時間2010年7月15日更新「World Cup TV: Many Viewers, No Profits

 サッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会は、7月11日の決勝戦で、スペインがオランダを下して幕を閉じた。米国でも、2430万人以上がこの一戦をテレビ観戦し、サッカー中継の視聴率で新記録を樹立した。これほどの注目を集めたW杯は「テレビ局にとって“ドル箱”に違いない」と思ってしまうが、実情はそうではない。

「W杯は高額の放映権を支払うのに値するビッグイベント」

 米国でもサッカー人気が高まりつつある。しかし、W杯を放送したテレビ局は、支払った放映権料に見合うだけの利益を得られていない。米国では、今回の南アフリカ大会と2014年ブラジル大会の放映権を、以下の3社が獲得した--米ウォルト・ディズニー(DIS)傘下の大手テレビ局ABC、スポーツ専門テレビ局ESPN、および米スペイン語テレビ局のユニビジョン・コミュニケーションズ--。放映権料は総額4億2500万ドル(約367億円)に及ぶ。ESPNとユニビジョンの幹部らは、W杯放送で得た広告収入の具体的な金額は伏せつつも、放映権への投資をすぐには回収できないことをインタビューで認めている。

 英国でスポーツ情報を配信しているスポートカル・グローバル・コミュニケーションズ(本社:ロンドン)の上級スポーツ調査員エゼキエル・アバタン氏は、「W杯の放送にかかる費用を放送局が取り戻すのは難しい。それでも放映権を獲得するのは、局のイメージアップとサッカーチャンネルとしての知名度を向上させるためだ」と指摘する。

 テレビ局の幹部は「放映権の獲得に高額な費用がかかっても、それは十分理にかなっている」との主張を崩さない。ユニビジョンのジョー・ウバCEO(最高経営責任者)は、「W杯を放送することで、サッカーに関心が高い視聴者を呼び込める。また、W杯終了後もそうした視聴者をとどめておけるメリットがある」と話す。また、“世界中のスポーツをリードする”と自らうたうESPNも、W杯の放送を見送る手はないと話す。同社で番組編成を担当する上級副社長スコット・ググリエルミノ氏は、7月8日の電話会見で「事業の拡大を続けている当社にとって、これだけのビッグイベントに関与することは間違いなくプラスになる」と述べている。

広告を入れる中断がないのが悩み

 放映権料の回収を考えるとき、サッカー中継が厄介なのは、広告を挿入しにくいスポーツであることだ。前後半それぞれ45分の間、試合はほとんど中断なしで進む。このため、広告を流せるのは、試合の直前・直後とハーフタイムに限られる(一部テレビ局では、画面上に広告を流す実験も行っている)。合計25分にすぎない。一方、試合時間がはるかに長い米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の年間王座決定戦「スーパーボウル」の場合、約45分の広告時間を確保できる。

 また、広告主が早い段階で広告枠の購入を見送りがちになるのも厄介だ。その理由は、自国の代表チームが敗退すると視聴者が激減することにある。6月26日の米国対ガーナの一戦は、米国では1900万人以上がテレビ観戦した(米市場調査会社ニールセン調べ)。この試合で米国は敗れ、大会から姿を消した。その翌日、アルゼンチン対メキシコ戦の米国での視聴者数は20%以上も減った。ドイツ対イングランド戦は半分以下になった。

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