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ユーロ売りで大儲けした為替トレーダー

無節操な投機家か? 資本主義の潤滑油か?

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2010年7月27日(火)

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Katherine Burton(Bloomberg News記者)
米国時間2010年7月15日更新「 How I Stopped Worrying and Learned to Short the Euro

 今年3月、財政破綻寸前にまで追い詰められたギリシャのヨルギオス・パパンドレウ首相は、危機を悪化させたのは「無節操な投機家」たちだと非難した。「世界中の為替トレーダーが市場を混乱させ、世界規模の新たな金融システム崩壊の危機を招いたのだ」。パパンドレウ首相に非難の矛先を向けられたのは、90億ドルの運用資産を持ち、世界有数の運用益を誇るヘッジファンド、キャクストン・アソシエイツの最高投資責任者(CIO)、アンドリュー・ロー氏(44歳)をはじめとする人々だ。

 パパンドレウ首相が便乗投機と見なした行為は、ロー氏にとっては、ごく当たり前の通常業務にすぎなかった。2010年初め、ロー氏が目指した目標はごく単純なものだった。ユーロを「ショート(空売り)」して、ユーロ以外の通貨を「ロング(空買い)」し、世界経済が成長することに賭けて利益を上げようとしたのだ。彼は「自分たちトレーダーの取った行動がどのような影響を及ぼしたにせよ、欧州が抱える様々な問題はそれ以前から存在していた」と考えている。

 為替トレーダーは、1つの通貨が別の通貨に対してどのように動くかに賭けて儲ける。株や債券の投資家が証券の価格や収益率に着目するのに対し、為替トレーダーは世界中の国の政治情勢を常に把握し、わずかな政策の変更や経済成長の見通しの変化を利益に結びつけなければならない。多くの国々が経済危機に陥り、ソブリン債(政府債務)への懸念が広がっているときには、ロー氏ら為替投機家の動きが一国に出入りする資本の流れに影響を及ぼすこともある。また、輸入品価格やインフレ率を押し上げ、株や債券の価格を下落させ、政府の借り入れコストを増大させることもあり得る。問題は、パパンドレウ首相が言うように、彼ら為替トレーダーが世界経済の回復を妨げる障害なのか、あるいは、利益を追求して市場を効率化する、市場のプレーヤーにすぎないのかどうかだ。

ユーロは最も脆弱な通貨

 ロー氏は、為替トレーダーは市場の不均衡是正に一役買っていると考えている。彼は単に為替取引で利益の獲得を目指しているにすぎず、「外国為替の変動要因は、様々な国に関する様々な見通しである。現時点では各国のファンダメンタルズ(基礎的条件)は実に多様だ」と言う。

 ロー氏がユーロを売り、カナダドルやオーストラリアドル、アジア通貨を買っていたとき、ほかのトレーダーたちは米ドルを売り、そのほかの通貨を買っていた。昨年、米ドルの対ユーロ相場はほぼ年間を通して下がっていた。しかしロー氏は、ギリシャの債務が以前報告されたよりも大きかったという報道が流れて以後、米国よりも欧州の先行きを不安視した。ロー氏には今後、ユーロがさらに上昇するとは思えなかった。このときまでにユーロは1ユーロ=1.5ドルの水準に達していた。それも、2009年に対ドルで21%も上昇した後のことだ。彼はユーロが国際通貨市場で最も脆弱な通貨だと考えた。

 そもそも、統一通貨ユーロを使用するEU(欧州連合)加盟16カ国が抱える債務は、あまりに巨額になりすぎていた。投資家たちが、そのうちの1カ国でもデフォルト(債務不履行)のリスクがあると考え、債券や株をはじめとする資産を売り始めたら、ユーロの価値は下落する状況だった。

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