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サムスン流で鍛え上げられるスゴイ犬

「食べる」より「育てる」、世界で活躍

2010年8月3日(火)

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 サムスンが徹底的に鍛えるのは人間だけでない。盲導犬、聴導犬などの育成にも力を入れる。きっかけは1988年のソウルオリンピック。犬を食べる韓国の習慣が海外で批判されたことから、「イメージを変えよう」とサムスンは特殊犬の養成に力を入れるようになった。

 少年時代を日本で過ごしたサムスン・グループのオーナーであるイ・ゴンヒ会長は、寂しさを紛らわすために犬を飼うようになり、愛犬家になった。サムスン流で育成された犬たちは世界の視覚障害者や聴覚障害者に寄付されて、活躍している。

 韓国のソウルから南にクルマで1時間。サムスングループの人材育成の総本山である「人力開発院」の近くに、「サムスン特殊犬育成訓練センター」が姿を現す。視覚障害者のパートナーとなる盲導犬や聴覚障害者の手助けをする聴導犬を育成する施設だ。

毎年、盲導犬15頭、聴導犬10頭を育成する

 美しい緑に囲まれた盲導犬の訓練所に足を踏み入れると、十数頭のレトリバー犬が出迎えてくれる。つぶらな瞳で訪問者を見つめる姿は、本当に愛くるしい。訪問者からは思わず「カワイイ」という歓声があがるほどだ。

「サムスン特殊犬育成訓練センター」で訓練中の盲導犬は実に愛くるしい(写真:山崎良兵、以下同)

 しかし彼らは厳しい訓練を経て、適性があると認められた場合にのみ、盲導犬として、社会に送り出される。従順なだけでは、盲導犬になれない。目が不自由な主人に代わって、自ら危険を察知し、止まるのか進むのかなどを判断できるようになる必要がある。

 見学者は、目隠しをして、盲導犬に手を引いてもらってテストコースを歩く体験ができる。障害物をよけたり、階段を上り下りしたりする際に、盲導犬は実に巧みに人間を誘導してくれる。ここまでのスキルを身につけるには、半年から1年という時間がかかるという。

 「訓練を経て、盲導犬になれるのは3割以下に過ぎない」と盲導犬を育成するサムスンの担当者は語る。サムスンで部長クラス以上に出世するのが難しいように、犬たちもふるいにかけられる。「(サムスンの)社員と同様に、自分で考えて判断する力を身につけられた犬だけが選ばれる」(サムスンの関係者)。

 人材だけでなく、犬の育成でもサムスンは世界的に知られている。盲導犬は毎年15頭、聴導犬は毎年10頭を育成する。1カ所で育成される特殊犬の数はアジアで最大規模だという。

犬虐待国のイメージ改善に立ち上がる

 サムスンが特殊犬の育成に取り組み始めたきっかけは、1988年にソウルオリンピックを開催する際に、韓国の犬食文化が批判されたことがある。

 韓国では、犬料理は滋養強壮や美容に効果があると考えられており、暑気払いに食べる習慣がある。「ポシンタン」と呼ばれる茹でた犬の肉を細かく裂いて、唐辛子をベースにした辛いスープで食べる鍋料理が知られる。韓国の中央日報によると、同国内では1年間に200万頭の犬が食べられているという。

 欧米などで批判が強かった「犬虐待国」というイメージを変えるために、サムスンは立ち上がった。1989年から盲導犬の育成を開始。サムスングループのイ・ゴンヒ会長は、日本で過ごした少年時代に、友達が少ない寂しさを紛らわせるために犬を飼うようになったとされる。以来、イ会長は大の犬好きとして知られており、自宅でも数十匹の犬を飼っていたことがあるほどだ。

コメント6件コメント/レビュー

どこかの階層が善人であることを前提としたシステムというのは必ず失敗する。サムソンの成功は新自由主義的立ち直りが要因だが、それは既得権層の解体が先立って行わなければならない。それは既得権層が今までやってきたことが間違いであるという前提があり、解体をしない場合、その間違った方向にさらに、資金、権力が集中し悲惨なものになってしまうからだ。つまり、新自由主義というのは、その資金、権力が集中する先、経営陣が「善人、公平であり有能である」ということ前提にしている。これは共産主義というものがその富の分配の権力集中先である官僚が公平で善人であることを成功の前提にしていることとよく似ている。普通の人、貧乏人、金持ち、経営者、政治家、官僚、いずれの層も強欲であり、善人とは程遠い。その前提を無視したモデルは必ず破綻する。(2010/08/06)

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「サムスン流で鍛え上げられるスゴイ犬」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部などを経て、2017年1月から日経ビジネス副編集長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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どこかの階層が善人であることを前提としたシステムというのは必ず失敗する。サムソンの成功は新自由主義的立ち直りが要因だが、それは既得権層の解体が先立って行わなければならない。それは既得権層が今までやってきたことが間違いであるという前提があり、解体をしない場合、その間違った方向にさらに、資金、権力が集中し悲惨なものになってしまうからだ。つまり、新自由主義というのは、その資金、権力が集中する先、経営陣が「善人、公平であり有能である」ということ前提にしている。これは共産主義というものがその富の分配の権力集中先である官僚が公平で善人であることを成功の前提にしていることとよく似ている。普通の人、貧乏人、金持ち、経営者、政治家、官僚、いずれの層も強欲であり、善人とは程遠い。その前提を無視したモデルは必ず破綻する。(2010/08/06)

盲導犬になれなかったワンちゃんの末路…やはりポシンタンなんでしょうかね?(2010/08/04)

「アジアで最大規模」というのが引っかかりました。盲導犬・聴導犬合わせて年に25匹で、日本盲導犬協会が年平均約15匹、というのが根拠ではないかと推察しますが、間違いです。本当の、質量ともに日本トップの育成機関は、アイメイト協会です。こちらは年平均 約30匹です。しかし、本当の問題はそこじゃなくて、リンク先にある一頭あたりの費用を見ていただきたい。日本盲導犬協会のほうが異常だと気づくはずです。こういう所を基準にしてはいけません。(2010/08/03)

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