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新たな投資先に超高級ライフル銃はいかが?

値上がりが続く、中欧の名工が作る銃

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2010年8月16日(月)

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Paul M. Barrett(Bloomberg Businessweekアシスタントマネジングエディター)
米国時間2010年7月29日更新「The Money Shot Investment

 オーストリア南部には、世界中にほんのわずかしかいない超高級銃器製作者の1人、ペーター・ホーファー氏の工房がある。工房の入口では、牙をむいた白いジャガーが玄関を守っている。この剥製のジャガーは優雅な狩猟旅行で獲得した獲物。ホーファー氏が手がける特製の猟銃は、こうした狩猟をたしなむ人にふさわしい製品だ。

 ホーファー氏の銃は、ビールの空き缶を撃って遊ぶのに使うような代物ではない。同氏の顧客リストには中東の王族やロシアの大富豪が名を連ねる。高級な趣味の道具が数千万円なら妥当な値段だと考えるような超富裕層だ。

 とはいえ、ホーファー氏の“作品”の多くは、実用品として使うにはあまりに高級すぎる印象もある。小型の17口径弾用の水平2連式ライフル銃「ハミングバード」を取り扱うとき、同氏は手の汗で金属が腐食するのを防ぐため、白い手袋をつける。この金属部分には、野の花を背景に、金とエナメルで描かれた40羽もの鳥が軽やかに舞う姿が彫られている。つややかな美しい木目の銃身は樹齢800年のトルコ産クルミ材を使用しており、重量は熟したパイナップルとほぼ同じ、約900グラムだ。

銃の芸術家はベートーベンを彷彿させる

 ホーファー氏は「大きい銃を作る注文に応えるのはさほど難しくない。小さい銃を作る方が難しい」と語る。

 銃のトリガーアセンブリやスプリングをおとぎ話の小人サイズに小型化するには、外科医並みの精密さで金属を加工する技術が求められる。ちなみに、筆者がうっかり手袋をつけずにハミングバードに触れると、ホーファー氏の助手が素早くオイルを塗って保護した。

 1958年生まれのホーファー氏は、猟銃の愛好家たちからまるで神のようにあがめられることを楽しんでいるようだ。ベートーベンを彷彿させる無造作な髪の毛は、中欧訛りの英語や交響楽団の指揮者のような仕草とともに、とても特徴的だ。取材に答える同氏は、鮮やかなフォレストグリーンのオーストリアの伝統的なアウトドア用ジャケットに、きちんとプレスされた米衣料品大手ポロ・ラルフローレン(RL)の青いジーンズといういでたちだった。

 ホーファー氏の売り上げの大半は、口コミで集まる個人顧客からの注文だ。顧客の中には、はるばる同氏を訪ねてくる客もいる。ホーファー氏は、オーストリアのフェルラッハという、鉄道の駅もない小さな町の、教会の隣に建つ荘園邸宅を改築して工房にしている。

 英ロンドンで猟銃のオークションを主催するギャビン・ガーディナー氏は、「きわめて裕福な狩猟家や収集家だけが所有できる、芸術品と呼ぶにふさわしい猟銃を作る世界有数の名匠がいる。ホーファー氏はこうした名匠の1人」と称賛する。

高い芸術性と顧客の秘密保持で、業界再編をものともせず

 銃器産業全体は、業界再編の時代を迎えている。米国の一般向け銃器・弾薬製造最大手フリーダム・グループは、米プライベートエクイティ(非公開株)投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメント(本社:ニューヨーク)が数年間かけてM&A(合併・買収)を繰り返してできた企業グループだ。銃の注文製造業者も厳しい時代を迎えており、フェルラッハやロンドンなど、注文銃器製造が盛んな地域では、打撃を受けている職人もいる。

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