一橋大学で学び、ユニクロのカシミヤプロジェクトを発案した経歴を持つバットサイハン・バータル・ジャミチョイ氏(以下、バット氏)は、2003年に母国モンゴルへ帰国して財閥や企業でその手腕を発揮。今はモンゴル初のPE(プライベート・エクイティ)ファンドを立ち上げようと奔走している。また、モンゴルのトップ企業から成る経済団体「CEOクラブ」の代表も務めている。そんなバット氏の活動を通じて、資源立国として世界の注目を集めるモンゴルの現況をお届けする。
「若者よ、国を背負う気概を持て!」
「各国の“投資家候補”がひっきりなしに訪れる」
「経済成長に向けて『資金が回る仕組み』作りが始まった」

FRONIER INVESTMENT & DEVELOPMENT PARTNERS(FIDP)パートナー。1974年4月、モンゴル生まれ。モンゴル国立大学経済学部で学び、1995年4月に来日。大阪外語大学で日本語を覚えた後に一橋大学商学部へ。卒業した2000年にA.T.カーニー入社、2002年8月からファーストリテイリングに勤務。2003年12月に退社してモンゴルに帰国後、最大の財閥であるMCSの副社長として新規事業開発や資金調達などを担当、2005年から3年間でカシミヤのGoyo社の企業再生に成功するなどの実績を残す。現在、モンゴル初のPEファンドを組成中。(写真:大槻 純一)
「先日は投資家のお客様のご要望で、南ゴビにある石炭の採掘現場へ視察に行きました。石炭に関しては今、世界的にもいろいろなニュースになっているので、興味を持たれる方が多い分野です。今回は現在稼働している中から、サウスゴビ・エナジー・リソーシズというカナダと香港で上場している外資系企業が経営している中規模の鉱山を訪ねました」
投資やビジネスのチャンスを見据えてモンゴルを訪れる海外からの客人を、毎週のように案内しているバットサイハン・バータル・ジャミチョイ氏(以下、バット氏)。メディアを通じてモンゴルの資源開発の活況ぶりを聞いてはいても、やはり実際に現場を見て実情を確認したいという要望は多い。
バット氏も、その勢いを感じてもらうことは重要だと考えており、鉱山へ出向くのは厭わない。ただ、今回の視察は少々遠出となったようである。
鉱山の宝庫、南ゴビへの交通事情
南北に約970キロメートル、東西は約1600キロメートルに及び、モンゴルから中国まで広がるゴビ砂漠。その中に位置する「南ゴビ」は、モンゴルの一番南にあり、中国に隣接する県だ。ここには、世界最大の埋蔵量を有すると言われる銅と金の「オヨートルゴイ鉱山」や石炭の「タバントルゴイ炭田」といった世界が注目する資源が埋まっているのに加えて、ほかにも有望な鉱山が点在していると見られている。
南ゴビへの交通手段は、小型飛行機か自動車である。ある程度の規模がある鉱山なら、それぞれ離発着できる小型機専用の飛行場も有しているという。しかし今回、バット氏らの視察は急遽決まったために、飛行機のチケットが取れなかった。ウランバートルからは約800キロメートル。車でも時速80キロほど出してずっと南下すれば、10時間でたどり着く計算だが・・・。
「南ゴビへは、ほとんどが舗装されていないデコボコ道を行かなければならないので、あまりスピードが出せません。道のない草原や山、砂漠なども通るので、GPS(全地球測位システム)と地図を頼りに行きますが、それでも時には道に迷ったりもします。分からなくなった場合は、近くの集落の人や遊牧民に道を聞いたりして・・・」
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