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ノラ・ジョーンズの大ヒットをシステムが予測した

評判が嗜好に及ぼす影響をどう生かすか?

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2010年8月24日(火)

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Barrett Sheridan(Bloomberg News記者)
米国時間2010年8月12日更新「Can Computers Pick the Next Big Thing?

 2000年代初頭、一握りの起業家たちが、人間の好みをコンピューターでシミュレートして、人気や流行を的確に予測できると確信した。電子部品とアルゴリズム(プログラムの処理手順)を使って、映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタイン氏や音楽プロデューサーのクライブ・デービス氏のような大物ヒットメーカーに匹敵する才能を再現する、という画期的な発想だ。大げさに言えば、これはコンピューターに対する人間の対抗心に拍車をかけ、「人類固有の技術や才能は果たしてあるのか、それは何なのか」という議論を過熱させる発想だった。

 人間の領分は、年を追ってコンピューターに侵食されつつあるように見える。1997年には、米IT(情報技術)大手IBM(IBM)のスーパーコンピューター「ディープ・ブルー」が、チェスの世界チャンピオン、ガリー・カスパロフ氏を6戦中2勝1敗3引き分けで破った。カスパロフ氏は後に、ディープ・ブルーの類は“押しが強いだけのプログラム”だとこきおろしている。創造性のかけらもない指し方で、“数世紀もの年月を経て確立された理論”を全く考慮していないと評した。

ノラ・ジョーンズの大ヒットを当てた

 コンピューターにチェスをさせるディープ・ブルーと同様の発想で、芸術や文化におけるヒットや流行をコンピューターに予測させる試みは10年ほど前から行われてきた。カスパロフ氏には我慢ならない話だ。こうした予測では通常、作品やコンテンツのエッセンスを数量化して取り出すという手法を用いる。中でも楽曲は処理しやすい。音楽の基盤はおおむね数学的な構造にのっとっているからだ。音楽情報の処理に関する研究開発を手がける企業や団体には、米ザ・エコー・ネストや国際音楽情報検索学会(ISMIR)などがある。様々な曲のデータベースを構築し、ピッチやテンポ、メロディなどの変数の相関関係を調べている。これらの要素を、過去に発売された曲の売れ行きと照らし合わせることで、新曲がチャートの上位に食い込める可能性を予測できるという考え方だ。

 こうした技術の1つに、スペインのバルセロナで2001年に創業されたポリフォニック・ヒューマン・メディア・インターフェース(ポリフォニックHMI、現ミュージック・インテリジェンス・ソリューションズ)が開発した「ヒット・ソング・サイエンス(HSS)」がある。同社の創業間もないころ、HSSは優れた結果を導き出したことがあった。2002年、HSSのアルゴリズムを改良していた同社は、当時無名だったある歌手のアルバムについて、14曲中8曲に紛れもないヒットの要素があると判定した。米女性歌手ノラ・ジョーンズの「カム・アウェイ・ウィズ・ミー」がそれだ。このアルバムは1000万枚を超える大ヒットとなった。

 同じ年にはこんなこともあった。新結成のバンド「マルーン5」を売り出し中だった独BMGのある幹部が、ポリフォニックHMIの共同創業者の1人であるマイク・マクレディ氏に連絡し、同バンドのシングル曲「ハーダー・トゥ・ブリーズ」の人気が思わしくないため、助言を求めたのだ。マクレディ氏はマルーン5のアルバムをソフトウエアで解析し、「ディス・ラブ」という曲の方がヒットの可能性がはるかに高いと助言した。幹部はこの曲をラジオ局に送った。マルーン5のアルバム「ソングス・アバウト・ジェーン」は最終的に300万枚の売り上げを記録した。

 事業としてのHSSは大成功に至らなかった。大外れに終わった予測も多かった。HSSのアルゴリズムは、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」を失敗作と判定した。6分間のインストゥルメンタル曲を大ヒット確実と判定したこともあった。マクレディ氏は、「この技術なら確実な予測が出せると期待していたが、そのような決定的な答えは出ないことが明らかになった。いつかはその域まで達するのかもしれないが、現状はそこまで達していない」と話す。同氏は2006年に同社を去り、現在は音楽系企業の幹部とミュージシャンとの間を取り持つウェブサイト「Music Xray(ミュージック・エックスレイ)」を運営している。

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