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株価暴落、風力発電事業に逆風

「ヴェスタスショック」世界最大手が業績見通しを大幅下方修正

2010年8月31日(火)

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 デンマークに本社がある、風力発電機の世界最大手ヴェスタス・ウィンド・システムズが、業績悪化に苦しんでいる。

 8月18日に発表した2010年第2四半期の決算直後、株価が一気に20%以上も下落した。金融危機の影響により、各地で風力発電プロジェクトの見直しが相次ぎ、財政難に苦しむ各国政府の新エネルギー普及支援策が後退し始めたことも影を落としている。

(昨年のインタビュー記事はこちら

 それは、風力などの新エネルギー銘柄に期待をかける株式市場関係者にとって、予期せぬ出来事だった。

 「ヴェスタスショック――」

 8月18日、デンマーク企業で風力発電機世界最大手のヴェスタス・ウィンド・システムズの株価が、取引開始早々、前日終値と比べて20%以上も下落した。同日の朝に発表した2010年第2四半期の連結業績が、市場関係者の予想を大きく下回る悪さだったからである。

インタビューに応えるヴェスタス・ウィンド・システムズのディトレフ・エンゲルCEO(写真:永川智子)

 売上高は前年同期比と比べて17%減の10億ユーロ(1077億円)で、営業利益は1億4800万ユーロ(158億円)の赤字に転落。2010年通期の業績見通しも、売上高を70億ユーロ(7490億円)から60億ユーロ(6420億円)、営業利益率を10~11%から5~6%へと大幅に引き下げた。

 業績発表後、日経ビジネスのインタビューに応じたディトレフ・エンゲルCEO(最高経営責任者)は、「上半期の業績は非常に悪いが、これは避けようのない赤字だった」と苦渋の表情を浮かべた。避けられないとは、どういうことか。

 風力発電機は、受注してから出荷して売り上げを計上するまで、最短でも半年かかる。昨年は2008年の好調な受注状況を反映して業績を持ちこたえることができたが、金融危機後の受注激減のツケは今になって顕在化したのである。

米国から風車1機も受注できず

 エンゲルCEOは、「昨年の風力発電機の受注状況は、完全に干上がっていたといっても過言ではない」と話す。実際、2009年の受注状況を2008年と比べると、約半分に落ち込んでいた。

 昨年の事業環境を振り返れば、金融危機の影響により銀行は風力発電プロジェクトへの融資に消極的になり、投資家もプロジェクトの精査に今まで以上に時間をかけるようになっていた。その結果、ヴェスタスの顧客はプロジェクト資金の調達に苦労し、計画を延期するケースが相次いでいた。さらに、温暖化対歳策を巡る各国政府の取り組みにも、変調が見え始めていた。

 同社にとって2006年以降、常に最大市場であり続けた米国からは、昨年は風力発電機を1機も受注できなかった。米政府は金融危機直後に景気対策として「グリーン・ニューディール」を掲げて新エネルギー育成に乗り出したが、その効果はまだヴェスタスには届かなかったのである。

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「株価暴落、風力発電事業に逆風」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長