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立ちはだかる財政危機、税制改正は不可欠だが…

期待される財政赤字対策委員会の答申

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2010年9月2日(木)

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Chris Farrell(Bloomberg Businessweek経済エディター)
米国時間2010年8月23日更新「Tax Reform: These Small Steps Could Help Deficit, Economy

 米国の税制は、近く大きな転換期を迎えるのだろうか――。米ブッシュ政権が2001年と2003年に導入した減税措置が近く失効するため、ワシントンでは現在、税制をめぐる論争が繰り広げられている。この論争を見る限り、転換の可能性は低そうだ。

 米議会が何もしなければ、2010年12月31日でブッシュ減税が自動的に終了する。議員たちは、数年前からこのことを分かっていた。しかし、景気低迷が続き、減税失効の期限が迫る中、今になって大わらわになっている(Bloomberg Businessweekの記事を参照:2010年8月5日「The Wisdom and Folly of the Bush Tax Cuts」)。

 米オバマ政権はブッシュ減税策のうち、年収20万ドル(約1700万円)以上の個人と世帯年収25万ドル(約2100万円)以上の夫婦に対する減税措置以外の、すべての減税措置の延長を目指している。一部の民主党議員は、ブッシュ減税策の失効を望んでいるが、共和党議員はブッシュ減税策の延長を支持し、さらに、減税措置の拡大や恒久化を求めている。

 印象としては、従来と同じワシントンの税制論争が繰り返されているように見える。これまで多くの場合、供給サイド重視の減税論者と高所得層への課税強化を唱える増税論者との激しい論争の末、減税策と増税策が部分的に入り交じった制度改正が行われてきた。また、過去四半世紀の間に実施された制度改正により、さまざまな控除や非課税措置、税制優遇、節税手段、課税所得区分などが存在する複雑な税制になっている。納税者はもちろんのこと、エコノミストらも、確定申告や税務管理、法令順守にかかる膨大な時間・経済的コストを問題視している。

 こうした問題意識は誰もが共有しており、レーガン政権時代の1986年に短期的に改善した時期があった。にもかかわらず、税制は依然として複雑化する一方だ。実際には、実に多くの企業や個人が現行制度を支持していて、税制改革は容易ではない。税制を改めると、住宅ローン控除の廃止で不利益を被ったり、現行制度を巧みに利用した節税策が行えなくなったりするからだ。両党の議員とも、影響力や支持票を得ようと、地元選挙区にとって有利な税制措置を推進する。

米国史における過去4度の主要な税制改革

 とはいえ、米国はこれまで何度か大規模な税制改革を実施してきた。税制史研究者のエリオット・ブラウンリー氏は、論文「Social Philosophy and Tax Regimes in the United States, 1763 to the Present(1763年から現在までの米国の社会哲学と税制)」の中で、米国は過去4度、大きな税制改革を行ったと述べている。いずれの税制改革も財政危機が改革の引き金となった。南北戦争と第1次世界大戦、世界大恐慌、第2次世界大戦による財政危機で、米政府は税収を増やす必要に迫られた。

 例えば、南北戦争の後、米政府は関税を大幅に引き上げ、酒やタバコなどの製品に高額の税金をかけて税収を確保した。19世紀末から20世紀初めには税制改革の必要性が明らかになっていたが、税制が見直しされたのは、第1次世界大戦で国際貿易体制が崩壊した後のことだった。1916~1931年には、主な税制改革として、消費財に対する物品税に加え、法人税や所得税が新規に課税された。

 税制情報を提供する米非営利団体タックス・アナリスツの税制史プロジェクトを統括するジョセフ・J・ソーンダイク氏は、「つまり抜本的な税制改革は、実行すべきときではなく、改革が避けられない事態になったときに初めて行われる。改革が実行されるのは、古い税制が制度疲労を起こし、財政状況や経済事情の変化に適合しなくなってからなのだ」と指摘する。

問題が残る税制

 過去10年間、米国の財政は何度も危機に直面し、現行制度では十分な税収を確保できないことが明らかになっている。2001年9月11日の同時多発テロに続くアフガニスタンとイラクでの戦争や、2008年9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻に伴う金融市場の崩壊で、米政府の財政負担は大幅に増加した。

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