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回顧録が描く2人の元英首相の確執

きわめて「保守的」だった、労働党出身ブレア首相の政策

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2010年9月13日(月)

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Robert Hutton(Bloomberg News記者)
米国時間2010年9月1日更新「Tony Blair, New Tory, Defends His Reign

 トニー・ブレア元英首相が財政タカ派(財政再建重視派)だと聞くと、驚く人もいるだろう。だが、先日出版された回顧録「A Journey(仮題:ジャーニー)」(出版社:クノップフ、35ドル)の中で、ブレア元首相は自身を財政タカ派だと評している。

 700ページ以上もあるこの分厚い回顧録の内容はもりだくさんだ。イラク戦争を正当化する主張。ライバルであるゴードン・ブラウン前英首相--同じ英労働党の政治家で、ブレア氏の後任として英首相に就任した--関する精神分析。エリザベス英女王に関するエピソード。ジョージ・W・ブッシュ前米大統領に対するとってつけたような称賛の言葉などが綴られている。さらにブレア氏は、自身の飲酒癖についても告白している。

 この回顧録の中で最も興味深いのは、ブレア氏がケインズ主義の「赤字財政支出による大規模な景気対策」を批判している点だ。同氏は「政府が財政赤字問題を是正しなければ、納税者がツケを払わねばならない。納税者は巨額の財政赤字が大増税に直結することを懸念する。そのため景況感が悲観的になり、投資や購買力が落ち込むことになる」と述べている。

 まるで、英保守党のデービッド・キャメロン現英首相のような主張だ。キャメロン首相は大幅な歳出削減に取り組む方針を示し、世界に衝撃を与えている。選挙に3度勝利したブレア元首相がこうした緊縮政策に賛同すると聞いたら、キャメロン首相は当然ながら喜ぶだろう。キャメロン首相の側近たちは、ブレア元首相の回顧録が出版された当日、この回顧録の一部を引用したtwitterのメッセージを発信していた。

 いまや億万長者となり、米銀大手JPモルガン・チェース(JPM)の顧問を務めるブレア氏は、高所得層への増税策に反対している。英国経済を苦しめた信用収縮の後でも、大手金融機関を弁護している。同氏は金融危機について、「政府も失敗した。金融監督当局も、政治家の対応も失敗だった。金融政策も失敗だった」と述べている。

ブラウン前首相や歴代米大統領との関係

 この金融危機が起きたのは、ブレア氏の首相退任後、ブラウン政権の時だった。ブレア氏とブラウン前首相の関係は、近年の英政界でも例を見ないほど複雑な思惑が絡んだ関係だ。ブレア氏は回顧録の中で、2人の初期の微妙な関係を、「まるで必死で愛を交わそうとする恋人たちのようだった」と、テレビの恋愛ドラマ風の表現で言い表している。ブラウン前首相はブレア氏の良き助言者、政治的同志であるとともに、政敵でもあった。

 ブレア氏は首相の座をブラウン氏に譲ったことを、今は失敗だったと考えていると明かしている。「私が退任し、ブラウン氏が後任になれば、政権を失うかもしれないという不安はあった。ブラウン氏には欠落した部分がある。分別がないわけではないが、人間としての勘が悪い。政治的な計算はできるが、政治的感性に欠けている。分析力は優れているが、心の知能が足りない。彼には偏屈なところがある」。

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