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効率良く知識を得ることで我々は賢くなっているのだろうか

急速に伸びる電子書籍、本との共存は可能

  • フィリップ・デルヴス・ブロートン,関谷 英里子

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2010年9月17日(金)

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 この数週間、私は飛行機で移動したり、米国や欧州のさまざまな空港で待機したりして、多くの時間を過ごしているのだが、これをチャンスとばかりに、最近人々がどのように活字に接しているのかを観察している。端から見ると、こんなことは退屈な作業に思えるかもしれないが、「活字を読む」という行為にとって数百年に1度の変革が起きようとしている今、実はすごく面白いトピックだと自分では思っている。

欧米の空港で散見されるiPad

 書店が本を流通させる、というシステムが電子書籍の登場によって転換を迫られている証拠はいたるところで見受けられる。旅行者はペーパーバックではなく、キンドルやiPad(アイパッド)の画面に見入り、スクリーンをタッチしてページをめくる。スクリーンをあちこちに向けながら、自分にとってちょうど良い明るさと読み易い角度を見つける。 ざっと見渡したところ米国や欧州の空港や旅先で見かけたうちの3分の1から半分の人々は電子書籍を読んでいたように思う。

 私は、といえばまだ紙の本を読んでいる。しかし電子書籍に移行するにはさほど時間はかからないと思っている。電子書籍の利便性はあまりにも魅力的であり、従来の書籍は電子書籍端末という新しい機器からの挑戦を受けているといえる状況であろう。そして、私としてはだいたいどのようなものを電子書籍で読みたいかも目鼻がついている。飛行機で移動する時間にさっと楽しめるような新刊のサスペンスもの、また、ノンフィクションでいえば政治の本やビジネス書、あとは雑誌だろう。どちらかといえば、一度読めば充分という類の本になる。

 他のテクノロジーと違って、今回の電子書籍という技術革新の恩恵を享受しているのは若者だけではないようだ。性別や年齢を関係なくあらゆる人が楽しんでいるのである。学校や大学に重い教科書を持ち運ばなくて済む学生から、わざわざ書店に行って、買った重い書籍を運ばなくて済むようになった中年からお年寄り層は今までにないほど「読書」にのめり込んでいるようにも思える。

電子書籍の売り上げは全米で10%に

 モバイル・テクノロジーが米国や欧州のそれよりも何年も先を行っている日本で、電子書籍が爆発的に普及するのも時間の問題だろう。通勤電車内で、キンドルで本を読むよりも、もっと簡単に、そして一般的に携帯電話でテレビを見られるということ自体、私には驚きである。

 我々はこの革命を長年待ち続けてきた。情報や娯楽を伝達する手段として、我々は木をパルプに変え、それから紙を作り、インクで文字を刷るという厄介なプロセスを続けてきたが、遂にこれを終わらせることが出来るかもしれない瞬間が到来したのだ。しかも、これによって活字の世界は大きく注目を浴び、業界としても活性化してきたのである。

 これまで、従来の書籍や雑誌、新聞にかわるものの登場をテクノロジーは約束してきたが、満足のいくものをもたらしてはくれなかった。スティーヴン・スピルバーグの「マイノリティ・リポート」等の映画には、我々が地下鉄の席に座って、丁度ポケットに入る大きさのプラスチック・スクリーンにワイヤレスで送られてきた新聞を読むというシーンが登場するのだが、これによく似たことを我々が始めたのは、ここ数カ月のことである。

 電子書籍やそれを読むための端末の売り上げは、これまではそこそこだったのだが、突然、急上昇を始めた。1年前には、電子書籍は全米の書籍売り上げの3%に過ぎなかったのだが、現在では10%を占めている。米国のアマゾンの発表によると、7月までの3カ月間に、ハードカバーの書籍100冊に対して電子書籍は143冊のペースで売れており、その差は日々広がってきているということだ。

 アマゾンのCEO、ジェフ・ベソスはこう語っている「当社はハードカバーの書籍を15年間扱っているが、キンドル本のほうはまだ33カ月間しか経っていないことを考えると、この変化は驚くべきである」。現在、米国のある大手出版社は電子書籍が今後3年以内に売り上げの40%を占めるようになるかもしれないと予測している。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長