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太陽電池市場で急伸する韓国
日中を超えて世界一つかめるか

第9回:大胆な大型投資はどこまで通用するのか

2010年9月21日(火)

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 日本企業は、太陽電池事業に早くから本格的に参入し、かつては世界の太陽電池市場でトップシェアであったものの、ここ数年間で大きくシェアを落としている。太陽電池の生産量によるシェアでは、2000年~2006年はシャープが太陽電池生産量世界一であった。

 しかし、住宅用太陽光発電への補助金廃止やシリコンの供給不足に対応できず、2007年ドイツのQセルズにトップの座を譲った。また、国別シェア順位も2007年(24.6%)まで日本がトップシェアを誇っていたが、2008年17.6%にまでシェアを落とし、中国(25.8%)に追い抜かれた。

 このような状況に対して強い危機感を抱いた日本の経済産業省は、2020年に世界での太陽電池市場シェアの35%を目指すことを骨子とする総合対策を打ち出した。具体的な対策としては、太陽光発電産業の規模を今の10倍である10兆円に引き上げ、雇用数を今の1万2,000人から11万人と増やす。また、国内では、賃貸やリースなどにより太陽光パネルを手軽に取り入れることができる制度を整備し、海外向けでは円借款などによるアジアやアフリカへの輸出を拡大していく。開発面では、発電費用が今の3分の1になる次世代太陽光パネルの開発を強化していく。日本は、「環境大国」として、世界市場でのトップシェアの座を奪還する強い意気込みを見せている。

輸出を2倍に伸ばした韓国

 しかし、ここにきて後発組である韓国が新たなライバルとして出現し始めた。サムスン電子、LG電子、ハンファグループ、現代重工業、STXソーラーなど韓国企業が、相次いで同市場に参入している。韓国の今年上半期の太陽光発電関連装備の輸出は、前年同期比2倍の18億ドルというすさまじい勢いだ。輸出好調の背景には、先進国が政策的にグリーン市場を育成していることがある。ドイツなど欧州は、太陽光発電所を競うように設置している。また、米国・日本・中国なども内需市場を育成し、太陽電池・太陽光モジュールの生産能力の向上を図っている。

 韓国勢の戦略としては、得意とする大胆な大型投資によって上位の企業を切り崩すこと。また、自らの強みである半導体・液晶パネル・化学品など既存技術との相乗効果を生かすことで競争力を確保することだ。

 この大胆な大型投資は、これまでのように上手くいくであろうか。これまで韓国は、日本を追いかける一方、中国に追いかけられるといういわゆる「サンドイッチ危機」の中で生き残りを図ってきた。

 だが、太陽電池市場に限っては、さらに熾烈な競争にさらされることとなる。同市場では、日本のみならず、中国も韓国の先を走っているためだ。韓国企業は、日本企業と中国企業の両者を追いかけることになる。勢いを失っている日本と、台頭する中国。新しい世界の産業地図を韓国企業の目から見るのに最も適しているのが、この太陽電池だ。クリーンエネルギー需要の高まりに伴い2020年には3000億ドルに拡大するとされる世界の太陽電池市場に激しく食い込む韓国企業の動向を見てみる。

 サムスン電子は、2009年9月京畿道竜仁市の器興工場で結晶型太陽電池の研究開発ラインであるPVラインを稼働開始した。PVラインは、3万キロワット規模で、量産ライン導入に向けた準備段階に当たる。同社は、半導体事業とLCD事業で培った技術力を土台に、PVラインの大部分を国産でまかない、設備の国産化率は85%に達する。これにより太陽電池製造設備と工程に関する技術、そして大型量産時のコスト競争力を確保したことになる。

 同社は、「PVラインの稼動を通じ、より效率が高い太陽電池を開発する大きなフレームが準備された。太陽電池の設計技術とともに、このラインを通じて確保した設備技術、工程技術を土台として、2015年には同市場でリーダーシップを確保すべく努力する」(サムスン電子LCD事業部光エネルギー事業チームの崔東旭常務のコメント)と国内外に向けて発表している。

 また、サムスン電子は今年5月にまとめた「成長5分野の投資計画」に太陽電池を盛り込んでおり、同分野への2020年までの投資額は6兆ウォン(4,280億円)を計画し、同分野の売上高は10兆ウォン(7,133億円)を目指している。サムスングループの10年構想である「成長5分野の投資計画」は、李健煕会長が3月の経営復帰後、初めて開催した新事業関連社長団会議で決定されたものである。新事業に決まった投資分野は、太陽電池、自動車用電池、LED、バイオ製薬、医療機器の5分野で、2020年までに同分野の売上高50兆ウォン(3兆5666億円)、雇用創出4万5000人を目標としている。

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