• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

BYDが失速、急成長のつけ

ディーラーの相次ぐ脱退で露呈したお粗末な販売戦略

  • 経済観察報

バックナンバー

2010年9月17日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

経済観察報記者 廖傑華/李保華/寧莉

電池から自動車に参入した新興メーカー、中国のBYDの勢いに急ブレーキがかかった。販売網拡大のための無理なリベート政策がたたり、ディーラーの脱退が相次いでいる。4~6月期は大幅な減益を記録し、資金繰りの悪化も懸念されている。

 8月29日、湖南省長沙市の湘府路に面したBYDの専売ディーラーの店内は内装工事に追われていた。向かって右側の壁からBYDの王伝福董事長(会長に相当)の顔写真が入ったポスターが撤去されたが、これは店内の中央に置かれた(商売繁盛を祈念する)仏壇とともに、以前は軽々しく動かしてはならないものだった。

 翌30日、このディーラーは2年余り掲げていたBYDの看板を正式に下ろし、競合相手である吉利汽車の販売店として新装オープンした。

電気自動車は“絵に描いた餅”

 これは今年4月以降、全国各地で相次いでいるBYD加盟ディーラーの脱退劇の一幕に過ぎない。BYDは先日、2010年1~6月期の半期決算を発表した。自動車事業の突然の失速を受け、純利益は1~3月期の17億400万元(約213億円)から4~6月期は7億1700万元(約89億6000万円)へと大幅に縮小した。

 市場の期待を裏切る決算にディーラーの脱退問題が追い打ちをかけ、投資銀行のアナリストは(香港証券取引所に上場する)BYDへの評価を見直し始めている。ゴールドマン・サックスは最新の投資判断で「売り」を推奨した。

 相次ぐディーラーの脱退について、BYDは「様々な原因があるが、現在は答えられない」(徐安・広報部マネジャー)と詳しいコメントを避けた。

 一方、湖南省のあるディーラーは匿名を条件に取材に応じた。2008年に加盟店契約を結んだ時、BYDはディーラーの高い粗利と手厚いリベート、さらに電気自動車の投入計画を提示して巧みに勧誘したという。

 「当時、電気自動車は影も形もなかったが、BYDから『今加盟すれば後で必ず儲かる』と言われた。結局、高収益も電気自動車もいまだに実現していない。そろそろ潮時だ」

 BYDの車種で最もよく売れている小型車「F3」を例に取ると、ディーラーには1台当たり4000元(約5万円)の粗利に加え、毎月の販売目標を達成した場合のリベートが同1000元(約1万2500円)、さらに四半期ごと、年度ごと、広告支援など複数のリベートが約束された。目論見通りなら、1台当たり7000~8000元(約8万7500~10万円)の利益が得られるはずだった。このほか、BYDは各ディーラーの出店費用を3年間で360万元(約4500万円)補助するとしていた。

 しかし現実には、ディーラーの粗利は加盟店同士の値引き合戦の原資に消え、利益を確保するにはリベートに頼るしかなかった。前出の匿名希望のディーラーは、「今思えば、BYDが出した好条件はできるだけ多くの加盟店を勧誘するための“絵に描いた餅”に過ぎなかった」と振り返る。さらに、続けてこう明かした。

 「BYDのリベートは、常識で考えれば達成不能な目標に基づいていた。例えばある月に80台の販売目標を達成したら、翌月は150台、翌々月は250台を課せられるという具合だ」

 しかも、月々の販売台数が1度でも目標に達しなければ、四半期や年度のリベートまで水泡に帰す可能性があった。ディーラーは販売目標を是が非でも達成するため、高利貸しから借金してクルマを仕入れたり、在庫車を赤字で処分したりしていた。

 「BYDは本当に不思議だ。仕入れ価格よりも販売価格の方が安い」。同業者はそう首をかしげていたという。

 ある業界関係者によれば、同じ中国メーカーでも吉利汽車や奇瑞汽車は、こんな無茶な制度は取っていないという。例えば吉利汽車では、ディーラーの販売目標は本社の生産目標に基づいて割り振られ、さらに実際の売れ行きを見ながら調整される。ある月の販売台数が目標に達しなくても、四半期や年度のリベートは影響を受けない。

高まる債務返済圧力

 新興メーカーのBYDは、過去4年間で販売網を急拡大し、全国の店舗数は1000店を超える。その多くが過剰在庫と資金繰りに苦しんでいる。ディーラーの相次ぐ脱退は、BYDの将来に暗い影を投げかけている。

 つい最近も浙江省のディーラーが広東省深セン市のBYD本社を団体で訪れ、契約の見直しを求めた。だが、BYD側が相手にせず、失意のまま帰途に就いた。これを受け、浙江省ではディーラー10社が脱退を検討している。

コメント2

「中国発 経済観察報」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

社長に就任してずっと言っているのが ファンダメンタルズの強化。

安形 哲夫 ジェイテクト社長