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「愛国無罪」は再び?長期化する尖閣諸島問題

2010年9月22日(水)

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 振り上げた拳をいつ、どこに、下ろすつもりなのか?

 沖縄県の尖閣諸島(中国名は釣魚島)付近で操業していた中国漁船をめぐり、日本と中国の対立が激化してきた。9月19日に日本側が逮捕していた船長の拘留期限を延長すると、中国側は即座に閣僚級の交流を停止すると通告してきた。今後両国の反応はエスカレートしていくのは必至な情勢だ。

 民主党政権は自民党政権に比べて明らかに親中の度合いが高い。だが、新しく外務大臣に就任した前原誠司氏は民主党きっての“タカ派”だ。9月16日には国土交通大臣として石垣島の海上保安部に赴き、漁船に体当たりされた巡視船を視察。その日の記者会見で前原大臣は「東シナ海に領土問題は存在しない」と言い切った。

 正直に打ち明けると、私は当初この事件が大きな問題に発展しないだろうと高を括っていた。今回の事件は中国側にとって余りにも分が悪いので、中国政府が本腰を入れて反発してくることはないだろうと思っていたのだ。

「愛国無罪」で暴力が正当化された2005年

 事件の経過を振り返る。9月7日の未明、日本の領海である沖縄県の尖閣諸島付近で操業していた中国の漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した。詳細は不明だが、漁船が逃げる最中に巡視船にぶつかったと報道されている。これが事実であれば公務執行妨害に当たる。当然のことながら、漁船の船長は逮捕された。

 日本人から見れば、悪いのは百パーセント漁船の方だ。他人の家に勝手に入り込み、見つかったら居直るどころか警察官に食って掛かる。問題の漁船がやったことはそれと同類であり、日本側に非はない。だから中国側も多少抗議することはあれ、徐々に問題は沈静化すると思い込んでいたのだ。

全国人民代表大会(国会に相当)が毎年開催される人民大会堂。中国政府の次なる手段は?

 だが、上記は日本側の立場で説明したものだ。中国側は尖閣諸島を釣魚島と呼び、自国の領土と主張している。当然のことながら自国の領海で操業していた中国漁船が日本の巡視船に不当に拿捕されて、船長が日本の国内法で裁かれてしまうと考えている。だからこそ、これは看過できないと反日機運が高まっている。

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「「愛国無罪」は再び?長期化する尖閣諸島問題」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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