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自転車に乗って笑うより、BMWに乗って泣く方がいいわ

新道徳運動「三俗反対」で番組内容の修正を命じられたお見合い番組

2010年10月1日(金)

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 2010年7月23日に開催された中国共産党中央政治局第22回集団学習会で、この会を主宰した胡錦濤総書記は、近年中国社会にはびこる“三俗”の風潮を断固として食い止めようという提案を行った。“三俗”とは、“庸俗(卑俗)”、“低俗”、“媚俗(世俗に媚びる)”を指すが、この胡錦涛総書記による提案を契機として、中国では“反三俗(三俗反対)”を旗印とする新道徳運動が展開されている。その対象は低俗化や娯楽化が著しい芸能界からインターネットまで多岐に及んでいる。

“八栄八恥(8つの栄誉と8つの恥辱)”

 今や“反三俗”は大きな流れとなって中国社会を揺り動かしているが、2002年11月に中国共産党総書記に就任した胡錦濤は、2006年3月にも“八栄八恥(8つの栄誉と8つの恥辱)”を柱とする“社会主義栄辱観”という文明国家を建設するための道徳規律を提起している。その詳細は以下の通りである:

【1】 国を愛することは栄誉、国を害することは恥辱
【2】 民に尽くすことは栄誉、民に背くことは恥辱
【3】 科学を尊重することは栄誉、無知蒙昧なことは恥辱
【4】 勤勉に労働することは栄誉、無為に怠けることは恥辱
【5】 助け合い団結することは栄誉、自己の利益だけを図ることは恥辱
【6】 誠実に信義を守ることは栄誉、利を見て信義を忘れることは恥辱
【7】 規則に従い順法することは栄誉、法に違反して規則を乱すことは恥辱
【8】 刻苦勉励することは栄誉、奢侈淫楽することは恥辱

 “八栄八恥”が提起された当時は、全国津々浦々に“八栄八恥”のポスターが張られ、小学校などでは“八栄八恥”の歌を教えるなどして国家的な道徳運動の様相を呈したが、庶民の反応は中国伝統の面従腹背で、表向きは積極的に賛意を示すが、腹の中は何を今さらといった感じで冷淡なものであった。

 さて、今回の“反三俗”はどうなのか。世界金融危機を他国に先んじて克服し、日本を抜いて米国に次ぐ世界第2の経済大国に上りつめた中国に蔓延しているのは、経済繁栄下における高揚感であり、拝金主義であり、成金感覚である。かつて提起された“八栄八恥”などは遠い彼方に忘れ去られ、富裕層はさらに富もうとし、中間層は富者になろうとし、そして下層の人々は少しでも生活が楽になろうとして、“恥辱”に定義付けられた方向に邁進しているのである。こうした道徳規範から逸脱した行為をいかに是正するかが、中国政府にとって重大な課題となっているのである。

摘発された4大ナイトクラブ

 中国政府は“反三俗”が提起される以前から道徳規範を確立するための方策を順次展開していた。その代表例は中国全土で今なお展開されている“夜総会(ナイトクラブ)”の取締りである。

 2010年4月11日から売春摘発キャンペーンを実施していた北京市公安局は、5月11日夜、当該キャンペーンの一環として北京で最高級の“夜総会(ナイトクラブ)”である“天上人間”、“名門夜宴”、“花都”、“凱富国際”の4カ所を急襲してホステス557名を拘束した。これら4大ナイトクラブはそれぞれが有力者の強い後ろ盾を背景としていることから、従来は治外法権的扱いで公安局の捜査対象から外されていたが、今回は売春を含む違法な接客行為並びに消防設備の不備などの理由で強制捜査が実施されたのである。

 “天上人間”の客となるには数万元(約40~50万円)の現金を準備して行く必要があると言われ、庶民にはほど遠い存在であり、これら高級ナイトクラブは貧富の格差を如実に物語る存在として位置付けられていた。強制捜査の結果、4つのナイトクラブは営業停止6カ月の処分を受けたが、閉鎖処分はなく、営業停止が解ければ、従来通りの営業が再開されるはずである。

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「自転車に乗って笑うより、BMWに乗って泣く方がいいわ」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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