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所得格差が新たな金融危機を招く

格差是正には教育が欠かせない

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2010年10月8日(金)

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Chris Farrell(Bloomberg Businessweek経済エディター)
米国時間2010年9月27日更新「 Narrow the U.S. Income Gap to Stave Off Another Financial Crisis

 2008年に信用市場が収縮し、経済が深刻な不況に陥ってから2年が過ぎた。この間、米ワシントンの政策責任者らは何もしてこなかったわけではない。むしろ、巨額の財政刺激策や金融機関の救済、自動車メーカーの経営再建、大幅な金融緩和など、多くの対策を打ち出してきた。こうした対策により、恐慌の瀬戸際に立っていた経済は安定した。

 また、議会は歴史的な医療保険制度改革法を可決した。国民皆保険制度が米国で最初に提案されてから1世紀以上たってのことだった。クレジットカード業界の不適切な慣行を是正する改革法も成立した。

 大きな不況の後――世界大恐慌のときは危機が始まってから2年10カ月間、そして今回は景気後退の終了が公式に宣言されてから1年4カ月の間――経済が再び危機に陥るのを防止するため、金融業界が改革の対象になった。中でも最も重要な成果は、米金融規制改革法の成立だ。また、最近合意に達した国際決済銀行(BIS)の新自己資本比率規制(バーゼル3)による自己資本ルールの強化も、こうした改革の流れをさらに後押しした。この2つの規制強化措置で、金融監督体制は以前よりも大きく改善された。

不況が所得格差を助長し、所得格差が経済成長を阻む

 だが、経済全体を長期的に強化する取り組みは実行されているのだろうか。2007~2009年に経済と金融市場が崩壊した根本的な要因の一つは、米国で過去30年以上の間に大きく広がった所得格差だ。

 この点は実は十分には理解されていない。第2次大戦後の大半の期間において、米国の所得格差は比較的少なかった。だが、上位10%の富裕層の所得が米国の全所得に占める割合は、1980年の34.6%から、2008年には48.2%にまで増加した。

 不況も格差拡大に拍車をかけている。米商務省国勢調査局が実施した最新の米国コミュニティー調査(ACS)によれば、2008年に5万1726ドル(約430万円)だった実質世帯所得の中央値は、2009年には5万221ドル(約420万円)に減少した。景気が後退し始めてから、所得は約4%減少している。同じ期間において、米国の貧困率は12.5%から14.3%に上昇した。

 米シカゴ大学ブース経営大学院のラグラム(ラグー)・ラジャン教授は今年発表した著書『Fault Lines: How Hidden Cracks Still Threaten the World Economy(仮題:断層:是正されぬ歪みが今後も世界経済の脅威に)』の中で、経済は今後も不健全で危機が再発しかねない状態が続くと述べている。同氏が挙げるその3大要因の一つは所得格差だ。

短期的な対策では所得格差は埋まらない

 もちろん、こうした問題に積極的に手を打たない理由も理解できる。政府当局者らの目は、次の信用危機を予防する長期的対策ではなく、雇用創出を促す短期的対策に向かいがちだ。中間選挙を間近に控え、ワシントンでは党派対立が激しくなり、政策の停滞が顕著になっている。長期問題への対策はおろか、目の前の雇用対策にさえ手がつけられない状態だ。こうした中、米オバマ政権のラーム・エマニュエル米大統領首席補佐官(10月1日に辞任を発表)は議会に行動を促し、「深刻な危機を傍観している場合ではない」と述べた。これはまさしく的を射た発言だ。

 ラジャン教授は別の言い方で、次のように問題提起する。「われわれは現在、長期的な対策に目を向け始める必要がある。私は持続可能な形でこの不況から脱することを望む。だが、それには短期的な景気刺激だけではだめだ」。

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