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今時の中国ネット事情を読み解くキーワード

「人肉」「転載」「格差」そして「秒殺」

2010年10月15日(金)

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 13億人超の人口を抱え「世界の市場」と称される中国。携帯電話、テレビ、自動車、シャンプー、ビール…中国が世界最大の市場である商品は枚挙に暇がありません。しかし、今中国で売れている商品やサービスは具体的に何か。そしてその商品がなぜ中国人に支持されているのか。中国における事業戦略を立てる上で、企業が求めるマーケティング情報はそれほど多くありません。

 そこで日経ビジネス・オンラインでは、博報堂と協力して日本ではタイムリーに把握することが難しい中国の最新情報を定期的にお届けします。お話しいただくのは、博報堂の中国拠点で働くマーケティングのプロたち。実際に中国に住み、中国のクライアントと直に接する中で実感する中国の最新トレンドを、日本企業目線で読み解いていただきます。

(聞き手:北京支局 坂田亮太郎)

―― 第1回は、上海の博報堂から市場企画本部の松浦良高本部長にお願いします。

松浦 良高(まつうら・よしたか)氏
1975年神奈川県生まれ。1997年学習院大学法学部卒業。米ジョージ・ワシントン大学大学院で修士課程(東アジア研究)修了。2000年に博報堂入社、マーケティングプランナーや博報堂生活総合研究所研究員として主に中華圏のグローバル・ブランディングに従事。2006年から上海へ移り、2008年より上海博報堂市場本部本部長に就任、研究開発局上席研究員も兼務。著書に「新・中国若者マーケット ターゲットは80后」(弘文堂)などがある

松浦 まず、私が取り上げたいのは、中国のインターネットで今どんなことが起きているか。その最新動向をお届けしたいと思います。

 いきなりですが、今、中国のネットでは学歴詐称の話題で溢れていると言っても過言ではないでしょう。いくつかのケースが重なっているのですが、最近話題になったのは、ベストセラー作家となった自称「中国一の漢方医」でしょうね。彼が書いた書籍「食べてかかった病気は食事で治す」は、なんと300万部を超えるベストセラーになりました。

 もともと中国では医療費が高く、かつ病院がとても混んでいます。また、病院にいくことで逆に病気になってしまうと考える人もいて、そのため一般大衆は病気にかかっても自分で薬を選んだり、民間療法で治そうとする人が多いのです。そのため、中国では健康に関する情報ニーズは日本よりも格段に高いと言えます。

 同氏の本は、「緑豆を食べればすべての病気が治る」という分かりやすさが受けました。また、今年(2010年)2月に全国ネットの人気テレビ番組に出演すると知名度が大幅に上がり、緑豆の価格が高騰する事態にまで至りました。

2009年11月の発売から1年経たずに300万部のベストセラーになった「食べてかかった病気は食事で治す」(「把吃出来的病吃回去」)

―― どの国でも健康食品ブームがおきるのですね。健康を求める人間の気持ちというのは普遍的なのでしょうか・・・。

 中国では、ある事象が大人気になると何らかのストップがかかることが多いのですが、本件も例外ではありませんでした。潮目が変わったのは、著者に学歴詐称の疑いが出た5月です。

学歴詐称が発覚して人気が急落

 1981年に北京医科大学臨床医学系を卒業とされていましたが、実際にその年の学生名簿に彼の名前はありませんでした。しかも、親子4代続いて医者の家系であり6歳から父親に漢方を学んできた「神医」とされているのですが、結局、医師免許も栄養士の資格さえも無く、緑豆で病気を治すという主張にも科学的根拠が乏しいことが判明しました。

 捜査や批判の矛先は同氏だけでなく、彼を出演させた人気テレビ番組にまで及び、結局、診療所は営業停止、本は書店から姿を消し、人気番組も6月で打ち切りになりました。

 この事件から分かるのは、中国では「何が真実か、本当に判断が難しい」という市場の底辺に流れている消費者の大きな共通認識なのですが、さらに私が着目しているのは、こういった学歴詐称を暴く過程で「人肉捜索」という中国のインターネット上の活動が、大きな役割を担っているということです。

コメント4件コメント/レビュー

中国におけるネット利用者の実態報告も併せてお願いします。中国の人口構成との乖離(年齢層ごとの総人口対ネット利用者数の対比)や、都市戸籍者対農村戸籍者の比率、ネット利用者の平均年収対非利用者の平均年収、等々、様々な切り口で紹介して欲しいものです。ネットが中国社会の一断面を代表するものであることを否定するつもりは全くありませんが、反対に、ネットが現今中国そのものであるとの認識を持ってしまうことも危険ではないでしょうか? 沿岸部、若手、高学歴、高収入者、都市戸籍者と言ったイメージを持ちますが、真実は?(2010/10/15)

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「今時の中国ネット事情を読み解くキーワード」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中国におけるネット利用者の実態報告も併せてお願いします。中国の人口構成との乖離(年齢層ごとの総人口対ネット利用者数の対比)や、都市戸籍者対農村戸籍者の比率、ネット利用者の平均年収対非利用者の平均年収、等々、様々な切り口で紹介して欲しいものです。ネットが中国社会の一断面を代表するものであることを否定するつもりは全くありませんが、反対に、ネットが現今中国そのものであるとの認識を持ってしまうことも危険ではないでしょうか? 沿岸部、若手、高学歴、高収入者、都市戸籍者と言ったイメージを持ちますが、真実は?(2010/10/15)

「かっこ良すぎるホームレス」と言うと、40年以上も放浪生活をしてきたホームレス王様・馳夫=アラゴルンを連想します。この中国人たちが「金は全て光るとは限らぬ」を理解していれば、これはかなり手ごわい消費者でしょうね。(2010/10/15)

せっかく中国の網民動向にスポットを当てるのであれば、QQと短信による年代別階層に存在する口コミネットも採り上げた方が良かったのではないでしょうか?(上海から)(2010/10/15)

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