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「4000円」の次の目玉は「高齢者優先席」

中国の春秋航空、日本路線で狙う“BOP”

2010年10月26日(火)

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 7月に茨城空港に上海からのチャーター便を就航させた中国のローコストキャリア(LCC)、春秋航空。一部の座席を対象にした「片道4000円」という低価格が話題となり、その名前は日本でも知られるようになった。

 同社のホームページ経由で初めて売り出された4000円チケットは、20分もしないうちに完売。圧倒的な低価格で知名度を高め、団体旅行だけでなく日本の個人旅行者にも売り込もうという戦略は今までのところ成功している。

 ただ同社の創業者、王正華(ワン・チャンホア)董事長の頭の中には既に“次の一手”があった。それが高齢者に優先的に格安チケットを配分するというものだ。

写真:町川 秀人(以下、同)

 王董事長はこう話す。「低価格チケットはあっという間に売り切れるので、25~40歳のネットに慣れ親しんでいる層しか買えない。これでは、高齢者に乗ってもらえなくなる」。

 具体的には、60歳以上など一定年齢以上の購入希望者に対して、優先的に「4000円チケット」を割り当てる。毎便、席の一定数を「高齢者優先枠」として確保し、さらに海外渡航歴のない購入希望者を優先したり、高齢者だけでなく付き添い人にもチケットを割り当てたりするといったアイデアもある。

 4000円チケットは放っておいてもすぐに売り切れる。販売効率が下がるこのような方法を考えるのは、王董事長が春秋航空を中国随一のLCCに育て上げる原動力となった経営理念があるためだ。

 それが、「これまで飛行機に縁のなかった層にこそチャンスがある」というものだ。最近では新興国の貧困層向けマーケティングの概念として、「BOP(ボトム・オブ・ピラミッド)」というキーワードが生まれている。航空業界では本当の意味での貧困層はターゲットにならないが、これまで対象にならなかった層を狙い数で稼ぐという点で共通する。

 実は春秋航空が初の国際路線の就航先として茨城空港を選んだのも、首都圏への近さに加え「茨城県には海外に出たことがない層がたくさんいると知り、そうした方に是非中国に来てもらう機会を提供したかった」(王董事長)という背景があった。

コメント4件コメント/レビュー

日本の航空会社は、手厚い保護の元にぬくぬくと育ってきた。行政にがんじがらめにされる変わりに経営努力をしなくとも安泰を約束されてきた結果、時代を先取りしたり斬新な企画を打ち出す気力もなくしてきた。JALの倒産によって目が覚めただろうから、これから本気で新たな方向に取り組んで貰いたい。また行政も要らぬ規制をすることを止めるべきだろう。(2010/11/01)

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「「4000円」の次の目玉は「高齢者優先席」」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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日本の航空会社は、手厚い保護の元にぬくぬくと育ってきた。行政にがんじがらめにされる変わりに経営努力をしなくとも安泰を約束されてきた結果、時代を先取りしたり斬新な企画を打ち出す気力もなくしてきた。JALの倒産によって目が覚めただろうから、これから本気で新たな方向に取り組んで貰いたい。また行政も要らぬ規制をすることを止めるべきだろう。(2010/11/01)

やっていることは非常にしたたかなのに、なぜか嫌な印象を受けない。商売にとって一番の成功は、人に喜ばれて買ってもらうことだと考えれば、自らの思想をわかりやすく伝えるトップのメッセージは重要だと改めて思います。(2010/10/26)

JALの人材をLCCが狙うという報道を目にするたびに、彼らが自分たちでLCCを立ち上げれば良いのにと思います。今まで海外に縁の無かった人や地域をグローバルにするのが使命だと思えば、非常にわくわくする仕事だと思うのですが。(2010/10/26)

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