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中国式スト、暴動のリアルな姿

現地を歩く工場経営者の「暴力度格付け」

2010年11月2日(火)

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 今年の中国、特に進出している日系企業は「群衆行動」に大きく揺れた。5月、広東省にあるホンダ子会社の現地法人に端を発した従業員による待遇改善を求めるストライキは、大きな波となって全土に広がった。

 そして10月、尖閣諸島の問題をきっかけに各地で起こった反日デモ。舞台を内陸部へと移す過程で、政府もコントロールに手を焼くほどの広がりを見せた。

 ただ、中国では工場ストライキや反日デモ以外にもいわゆる「抗議活動」は頻発している。背景には、地方政府による土地収用や乱開発、工場の公害問題などさまざまな問題がある。その大半は一連の反日デモのように日本でも詳しく報道されるわけでもなく、中国でも新聞やネットにニュースとして流れる程度だ。

 そうした暴動の現場を訪れ、検証している日本人がいる。小島衣料のオーナー、小島正憲氏だ。小島氏は岐阜県に本社を置く縫製会社の経営者として1991年に中国に進出、上海や湖北省、吉林省の工場を運営してきた経験を持つ。中国の労働事情や中小企業のリスク管理などについて実体験をもとにした複数の著作物もあり、中国における中小企業経営の第一人者としても知られる。

 小島氏が2008年から注目しているのが、中国各地で起こった暴動やストライキのリアルな姿だ。実際に現場を訪れて情報を収集するだけではなく、その度合を「格付け」している。一口に「暴動」「デモ」「ストライキ」と言っても、その規模や暴力性は千差万別だからだ。

暴動レベル0: 抗議行動のみ。破壊なし →44件
暴動レベル1: 破壊活動を含む抗議行動。参加者100人以下(野次馬を除く)。破壊対象は政府関係のみ →14件
暴動レベル2: 破壊活動を含む抗議行動。参加者100人以上(野次馬を除く)。破壊対象は政府関係のみ →5件
暴動レベル3: 破壊活動を含む抗議行動。一般商店への略奪暴行を含む →0件
暴動レベル4: 偶発的殺人を伴った破壊活動 →0件
暴動レベル5: テロなど計画的殺人および大量破壊活動 →0件

 2010年、1~9月の間に小島氏が情報収集した暴動の件数は63件。そのうち約3分の2の44件が「暴動レベル0」にランク付けされる。

 今年5月以降に全土の工場で起こっている賃上げを求めるストライキは、ほとんどが職場放棄でここに分類される。暴動も数千人から1万人規模になることも珍しくはないが、その多くは政府に向けられた抗議活動。大きな騒動になるのは、デモ行為を抑えようとした警察との衝突が起こり、逮捕者や負傷者が出るためだ。

 数は少ないが「暴動レベル1」も14件ある。例えば9月に広西チワン族自治区柳州市で起こった農民と警察との衝突は、政府による土地収用で補償金の分配方法が原因。土地収用を巡るトラブルはこうした抗議運動の最も多い原因で、農村部を中心に多く起こっている。

 中国ではよく「都市部と農村部の収入格差が社会不安を生んでいる」と言われる。しかし抗議行動や暴動の原因は、土地収用や不動産開発を巡る補償金の金額の格差や、関連する政府役人の汚職が大半。農村と都市との格差というより、「農村内格差」が問題となっていることがわかる。

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「中国式スト、暴動のリアルな姿」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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