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課長たちも「新興国には行きたくない」

産業能率大学の杉原徹哉マネジメントリサーチセンター長にインタビュー

  • 佐藤 紀泰

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2010年11月16日(火)

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 多くの日本企業では、外国人の幹部を活用するといった人材の国際化はまだお寒い状況だ。さらに悩ましいのは、日本の若者は「海外で仕事をしたくない」など内向き志向が強まっていることである。もう、日本人社員に海外事業を思い切って任せられる状況にはならないのか。

 企業の人事問題について様々な調査・分析をしている産業能率大学の杉原徹哉マネジメントリサーチセンター長に、グローバル人材の課題について聞いた。

(聞き手は佐藤紀泰=日経ビジネス編集委員)

―― 産業能率大学の調査でも新入社員の多くが海外赴任を嫌がっていますね。

 杉原 はい、今年春の新入社員向けの調査では半分に相当する49%が海外で働きたくないと思うと回答していました。これは前回の2007年の時は36.2%でしたから、かなりの伸びです。2001年には29.2%でした。

 こうした動きは当然の流れです。10年前は海外赴任と言えば、欧米が中心。しかし、この10年で中国を中心とする新興国への海外赴任が大半になりました。新興国は競争が激しい。そこで厳しいビジネスの現場に放り込まれて成果を出せ、なんて言われても、今の若い人たちは無理だと思ってしまう。しかし、我々の調査ではもっと深刻な事態が起きています。日本企業の部課長の問題です。

―― 管理職も新興国への赴任を嫌がっているのでしょうか。

産業能率大学の杉原徹哉マネジメントリサーチセンター長

 若い新入社員よりも深刻な状況です。9月にまとめた調査ですが、今後海外で働きたいかを聞いてみると、課長クラスでも働きたくないという人が6割近くもいます。さらに、部長でも4割以上もいるのです。これはかなり厳しい数字です。

 しかも、中国など新興国では、「どちらかと言えば働きたくない」という回答も加えれば、課長クラスでは7割が嫌がっている。また、部長クラスでも半分近くがそうなのです。日本企業にとって新興国は最大の成長市場。だが、そこで現地法人の経営幹部となる日本企業の管理職は行きたがらない。新人のことを嘆いている場合ではありません。ですから、現地で人材を育てる必要があるのです。

―― グローバル人材という言葉が流行しているのも、そのためでしょうか。

 日本人は全体的にリスクをとらないようになっています。日本での生活に満足しているから、外に出て行きたくない。ただ、日本という国は市場が縮小し、人口も減少します。企業ではグローバル化の必要性が言われてきましたが、人材レベルではその意識がなかなかグローバル化されません。

 日本企業にとってはグローバル化は、2008年にパナソニックへの社名変更が転換点とされます。それ以降、日本企業の多くがグローバル化をより強く意識するようになった。ただ、人材レベルでは課題が山積みです。

コメント5件コメント/レビュー

それぐらいのポジションの人となると、子供の教育がとか、妻が嫌がるので、という場合も多いのではないでしょうか。偏見と言われるのを承知で書きますが、これがもしニューヨークなどであれば喜んで付いていくが、新興国の聞いたこともないような場所になると、急に尻込みしてしまう奥様は多いように感じます。実際、私の知り合いの方は、「将来オーストラリアに行くことになるかもしれない」と言っていた時は奥さんもかなり前向きだったそうですが、結局日本人があまり観光では行かないような某国ということになり、「あなた一人で行って」と冷たく言われたと嘆いておりました。(2010/11/17)

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それぐらいのポジションの人となると、子供の教育がとか、妻が嫌がるので、という場合も多いのではないでしょうか。偏見と言われるのを承知で書きますが、これがもしニューヨークなどであれば喜んで付いていくが、新興国の聞いたこともないような場所になると、急に尻込みしてしまう奥様は多いように感じます。実際、私の知り合いの方は、「将来オーストラリアに行くことになるかもしれない」と言っていた時は奥さんもかなり前向きだったそうですが、結局日本人があまり観光では行かないような某国ということになり、「あなた一人で行って」と冷たく言われたと嘆いておりました。(2010/11/17)

「海外に赴任すると出世できない」本当でしょうか?少なくともわが社は部長以上はほとんど海外経験者で、ドメスティックな人材は明らかに昇進が遅れています。エースと言われる人材は、インド、中国等新興国の最前線で働いています。むしろ本社の人材の空洞化が心配になるくらいです。ただ、海外を嫌がるのは、エースとまでは言えない中くらいの人材かもしれませんね。彼らにとっては、海外に行ったところでそれほど出世の可能性が増えるわけではないですから。もっともそういう人は、日本にいてもそれほど出世できないわけですが。(2010/11/16)

ここでのコメントを見る限り、新興国への赴任が待遇上・人事上プラスになるのなら、その人たちは行ってみたい・行ってもよいということなのでしょうか。とすると、新興国市場を攻略しようとする企業は、サムソンやLGのような最上の待遇を赴任者に与えようとしないのでしょうか。私が知る限りでは、商社や銀行、マスコミは大使館の待遇に横並び、メーカーや流通は商社や銀行を参考とするだけで、外務省の手当てが減り続ける中で、駐在員の手当ても減る仕組みになっています。いつの間にか、ビジネスクラスに乗るのが後ろめたいことになってしまいました。子供を何人か現地のインターナショナルスクールに通わせると数百万の持ち出しになるのも現実です。サムソンやLGと同じ土俵に立って仕事をするためのインセンティブを与えられないのは、個々の企業の問題であるとともに、劣化しつつある日本の現実なのでしょう。(2010/11/16)

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