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国勢調査があぶり出した「他人なりすまし事件」

名前も身分証番号も同じ“クローン人間”が存在したわけ

2010年11月12日(金)

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 2010年は世界的に国勢調査の年であり、日本では10月1日に国勢調査が実施されたし、中国でも11月1日に“第6次全国人口普査(第6回国勢調査)”が行われた。下の【表】にあるように、中国で最初の国勢調査は1953年7月1日に行われたが、その後は1964年7月1日に第2回、1982年7月1日に第3回が行われ、1990年7月1日に実施された第4回以降は10年ごとに行われるようになった。ただし、実施日は2000年の第5回から11月1日となって今回の第6回国勢調査に至っている。なお、1987年、1995年および2005年には本格調査から5年後の中間調査として“全国1%人口抽様調査(全人口の1%を対象とするサンプリング調査)”が実施されており、次のサンプリング調査は2015年に予定されている。

【表】 中国の国勢調査と総人口

国勢調査 実施日 総人口
第1回 1953年7月1日 6億0194万人
第2回 1964年7月1日 7億2307万人
第3回 1982年7月1日 10億3188万人
サンプリング調査 1987年7月1日 10億7233万人
第4回 1990年7月1日 11億3368万人
サンプリング調査 1995年10月1日 12億0778万人
第5回 2000年11月1日 12億6583万人
サンプリング調査 2005年11月1日 13億0628万人
第6回 2010年11月1日

(出所)中国・国家統計局資料

 さて、今回の第6回国勢調査は、全国で動員された約600万人の国勢調査員が11月1日からの10日間に約4億戸の家庭を戸別訪問して調査を行ったが、その経費総額は7億元(約95億円)と言われている。一方、今回の調査実施に先立ち、中国政府は2010年5月24日付で“全国普査条例(国勢調査条例)”<施行:6月1日>を制定したが、その内容には(1)調査員に対する調査した事項の機密厳守、(2)調査員に対する調査拒否や不正確・不完全な情報提供に対する処罰、(3)地方政府による調査数字の恣意的な加工の禁止などが含まれていた。このように中国政府は前提条件を整えた上で、万全を期して今回の国勢調査に臨んだのであった。

大学受験に起因するなりすまし事件

 今回の調査では、【1】農村からの流動人口の把握<注1>、【2】一人っ子政策により農村部に普遍的に存在する“黒孩子(戸籍を持たない子供)”の人口の把握などに重点が置かれていた。ところが、国民の個人情報に対する意識が向上したこともあって、前回の第5回国勢調査の時と比べて素直に調査に応じる人数が減少したばかりか、肝心な都市に流入して集団生活する農民たちからは忌避される始末で、国勢調査の集計結果が果たしてどれだけ精度の高いものになるのか、4月末に公表される調査結果には暗雲が漂っている。

 <注1>従来の国勢調査では都市に流入した農民たちについては戸籍がある本籍地を基準にして調査が行われたが、今回は彼らが生活する居住地や勤務地を基準として調査が行われた。

 ところで、報じられたところでは、今回の国勢調査に先行して行われた準備作業および事前調査で他人になりすましていた事件が2件も摘発された。筆者は2009年5月22日付本リポート『あまりにも不条理な「身分なりすまし事件」』で、女子大学生が大学卒業の間際に銀行口座を開設しようとして阻まれ、高校の同級生が自分の大学合格証を詐取し、自分になりすまして別の大学を卒業していたことを知った事件を取り上げたが、今回摘発された2件も大学受験に起因するなりすまし事件である。事件の概要は以下の通り:

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「国勢調査があぶり出した「他人なりすまし事件」」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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