• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ガイトナー発言は、ブレトンウッズ会議のケインズと同じ

凋落する覇権国は貿易黒字の規制を求める

  • Bloomberg Businessweek

バックナンバー

2010年11月10日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

Peter Coy(Bloomberg Businessweek経済担当エディター)
米国時間2010年10月28日更新「 How Geithner Is Channeling Keynes on Trade

 10月下旬、ティモシー・ガイトナー米財務長官は、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に参加するため、韓国・慶州を訪れた。同長官はこのとき、歴史に思いをはせていた。デフレと保護主義的な通貨安競争の2つの脅威が世界的な重大問題になっている現状は、1944年の状況とやや似通っているように思えるからだ。

 1944年、世界の首脳が米ニューハンプシャー州ブレトンウッズに集まり、国際通貨基金(IMF)の設立をはじめ、大恐慌および第2次大戦後の国際経済体制を構築するための会議を開催した。1944年と同様に現在も大きな課題となっているのは、世界経済の不安定化を招きかねない慢性的な貿易不均衡の問題をどう是正するかだ。

 ガイトナー長官率いる米当局は、G20会議に向けて準備する中で、IMFの設立文書を改めて調べ上げた。10月6日に同長官が米ワシントンでの講演で指摘したように、設立当初のIMF協定には「今や忘れられた規定」――恒常的に貿易黒字を計上している国への調査と是正策の勧告をIMFが実施する――が盛り込まれていた。こうした歴史を参考に考えをまとめた同長官は慶州で、各国の経常収支の黒字や赤字をGDP(国内総生産)比4%以内に抑える目標値の導入を提案した。

 こうした提案を行うことでガイトナー長官は、1940年代に英経済学者ジョン・メイナード・ケインズ氏が果たしたのと同じ役割を務めている。同長官はこれまで繰り返し発言してきたように、「貿易赤字国のみが不均衡是正の責任を全面的に負うのでは、世界の経済成長が妨げられる。黒字国は輸出依存から脱却し、内需主導の経済成長を推進すべきだ」と主張した。

 ケインズ氏は1942年、より凝った言い回しで同様の認識を示した。「無秩序と失望に覆われた世界で縮小圧力が強まれば、現代のわれわれの希望は打ち砕かれかねない。私はこうした縮小圧力に断固として対抗していく」。

ブレトンウッズ会議における米国の立場に、今は中国が居る

 ガイトナー長官が1940年代のケインズ氏と同様の発言をしたことは、米国の国際的地位が著しく変化した事実の表れだ。1944年のブレトンウッズ会議では、米国は米財務省高官だったハリー・デクスター・ホワイト氏を代表とする交渉団を派遣。当時の米国は世界最大の債権国で、絶大な影響力を持っていた。

 だが現在、その立場にあるのは中国だ。近年行われた他の国際会議と同様、慶州の会議でも米国の地位は下がり、1940年代の英国に似た状況にある。当時の英国と同じく、米国の国力は低下し、慢性的な貿易赤字と不況から抜け出せないでいる。IMFの歴史専門家ジェームズ・M・ボートン氏は「経常黒字を制限するというガイトナー長官の驚くべき提案は、約70年前、赤字にあえぐ英国の要望を受けてIMF協定に盛り込まれた規定を土台にしている」と語る。

 アイゼンハワー政権とケネディ政権、ジョンソン政権で大統領補佐を歴任した故ルーファス・マイルズ氏は「どういう立場を取るかは、自分の置かれた立場によって変わる」との言葉を残している。この言葉は、米国の変化についても当てはまる。ガイトナー長官は少なくとも貿易問題に関して、ケインズ氏の主張に共鳴している。それが米国の国益になるとの単純な理由からだ。ボートン氏は「米国はかつての英国が経験した苦しみを今味わっている。米当局はほかの国々にも負担を分かち合ってもらおうと説得に必死だ」と語る。

コメント0

「Bloomberg Businessweek」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本全体として若い世代にもっと所得の分配をしていくべきだと思う。

川野 幸夫 ヤオコー 会長