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「立ち乗り」「ワンマン操縦」「トイレ有料」格安航空の現実味

業界の異端児、ライアンエアーCEOに聞く

2010年11月22日(月)

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 今年の夏、欧州で「立ち乗り運賃」の導入を検討しているとして、物議をかもした格安航空会社がある。その名は、ライアンエアー。既に乗客数では独ルフトハンザを上回り欧州最大となり、数週間先のチケットなら欧州各都市を結ぶフライトが片道5ユーロ(565円:1ユーロ=113円)程度で手に入ることも珍しくない。

 そのCEO(最高経営責任者)であるマイケル・オリーリー氏は、“お騒がせ発言”をする航空業界の異端児として知られる。立ち乗り運賃のほかにも、機内トイレを有料化すると言ってみたり、副操縦士の存在意義に疑問を投げかけ、「ワンマン飛行機」の可能性に言及してみたり。オリーリー氏に、発言の真意を聞いた。(日経ビジネス11月22日号の企業研究「ライアンエアー 挑発する究極の安さ」も合わせてお読みください)

―― ライアンエアーは大胆なコスト削減を実施することで知られてるが、そもそも、コスト削減の発想はどこから来るのか。

過激な発言で世間を騒がせるマイケル・オリーリーCEO(写真:村田充輝)

 オリーリー 当初、ライアンエアーは格安航空の事業モデルを米国のサウスウエスト航空から学んだ。しかし、今やコスト削減の取り組みでは、サウスウエストをはるかに上回る。

 サウスウエストとの最も大きな違いは、根本的にコストを下げ、運賃を下げ続けることにコミットしている点だ。ライアンエアーが市場を独占している路線でも、運賃を下げ続ける。なぜなら、それが、ライバルを市場から排除し続けるためには最も有効な手段だからだ。

 格安航空にとって必要なのは、革命的な考え方だ。

 2年前、多くの航空会社が空港に自動チェックイン機(キオスク)を設置し始めていた。しかし、なぜ、キオスクが必要なのか。もし、キオスクでチェックインしたいのなら、空港に来る前にウェブサイトでチェックインしてもいいではないか。(編集部注:ライアンエアーは昨年から、乗客にウェブサイトでの事前チェックインを義務付け、5ユーロを課している)

サービスが必要ないなら買わなければいい

 我々は、常に次の新しいコスト削減策、いかに人々の空の飛び方を再発明するかということを考え続けている。手荷物のチェックインに課金したのも、業界初だった。当時、誰もが「あぁ、手荷物を預けるのが有料なら、もう飛行機に乗れない」と言ったが、結果はどうだったか。導入後3年で、手荷物を預ける乗客の割合は8割から25%へと劇的に減った。(編集部注:手荷物チェックインの料金は15kgの荷物で15ユーロ、20kgなら25ユーロ)

 こうした課金は、乗客の行動を変えるためにある。正直、他の航空会社は、顧客がサービスを望もうと望むまいと、その料金を運賃に課している。そうではなくて、我々は運賃を下げる。乗客は、追加サービスが必要なら買えばいいし、いらないなら買わなければいい。それは、あなた自身が決めることだ。

トイレに課金、運賃引き下げのため

―― 機内トイレの有料化や立ち乗り運賃なども検討していると聞いたが、本当に実現するのか。

 機内のトイレの有料化は、検討している数あるコスト削減策の1つだ。機内トイレを有料にするのは、トイレ使用料のカネが欲しいからではない。もっと多くの乗客が離陸前か後に空港のターミナルでトイレに行くようになれば、3つあるトイレを1つに減らし、座席を6つ増やせる。そうすれば、乗客全員の運賃を引き下げることができる。

 立ち乗り運賃については、誤解しないでほしいのは「立ち乗り席」ではないということ。多くのメディアは中腰で腰掛けるような座席をイメージしたようだが、それでは意味がない。席ではなく手すりを用意する。地下鉄や電車と同じ発想だ。

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「「立ち乗り」「ワンマン操縦」「トイレ有料」格安航空の現実味」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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