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米国、財政再建のイバラの道(後編)

放置すれば約200兆ドルの歳入欠陥に直面する

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2010年12月2日(木)

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Peter Coy(Bloomberg Businessweek経済担当エディター)
Heidi Przybyla(Bloomberg News記者)

米国時間2010年11月17日更新「 Debt and Taxes: Will Washington Ever Grow Up?

前編からよむ)

社会保障費の削減は財政改革の要

 共和党と同様、民主党も非現実的な態度を取っている。メディケアやメディケイド(低所得者向け公的医療保険)、社会保障年金などの社会保障費が、連邦政府支出の約4割を占めている現実から目を背けようとしている。ベビーブーム世代(米国の団塊世代)の大量退職が始まる中、現状の社会保障給付水準の維持はすぐに不可能になる。

 オバマ大統領の財政赤字削減委員会の委員を務めるジャン・シャコウスキー下院議員(民主党、イリノイ州選出)は11月16日、短中期的な財政再建案を発表した。この再建案には、2015年までに2750億ドル(約23兆円)の増税を実施する案が盛り込まれている。2015年にはベビーブーム世代の大量退職が始まる。2015年以降は、これだけの増税を行っても財源が不足する。シャコウスキー議員は「まだ完全な対策は提示できていない」と語る。

税制の改革が不可避

 民主党は税収を増やす主要な手段の一つとして、所得税控除の大半を廃止することを検討している。シンプソン・ボウルズ案は3つの選択肢を示す。選択肢の一つは、医療や住宅関連の所得控除・税額控除・非課税措置など、300以上の税制優遇措置を全面的に廃止する「控除全廃」だ。だが、こうした税制優遇措置は、国民からの支持がきわめて高い。

 UIのロバート・ウィリアムズ上級研究員は「住宅ローン控除を廃止するだけで、現在持ち家に住む人は大きな金銭的損失をこうむる。マイホーム需要が低下し、住宅の資産価値が大幅に低下するからだ」と語る。

 確かにその通りだ。だが民主党が現状の税制優遇措置を存続させた場合、財政再建の財源はどこから捻出するのか。民主党は高所得者への所得課税強化に積極的だ。しかし、民主党は高所得者以外に対しても増税する必要がある。

 UIと米ブルッキングス研究所が共同で運営する米税制センター(TPC、ワシントン)の推計によれば、議会が所得税の最高税率を現行の35%から91%、2番目に高い税率を現行の33%から86%に引き上げるという、考えられないような“金持ち増税”を行っても、2019年までの累積財政赤字は約5000億ドル(約42兆円)に達する。TPCのドナルド・マロン所長は「著しい累進税率であり、現実的な選択肢として考えられない」と見る。

 財政再建策は単なる財務会計上の処理ではない。国家政策の優先順位を決め、公正な事業を振るいにかけ、経済成長を促す体制をいかにして築くかという問題だ。連邦政府の予算を削減して、州政府や地方自治体、企業・家計に負担を大きく肩代わりさせることは、米国民全体にとっては望ましいとは言えない。それではただ、あるポケットにあるカネを別のポケットに移しているだけだ。プラスの効果を生むには、財政改革と税制改正によって効率性を高めたり、将来の成長のために投資を促す必要がある。

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