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293万人が押し寄せる「大学院」「国家公務員」の試験

就職難で藁をもつかむ思いで合格に望みをつなぐ大学卒業生たち

2010年12月10日(金)

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 2010年11月29日付の北京紙「北京日報」は、「2011年の“考研(大学院入試)”に出願した受験生は150万人を突破、募集枠の拡大と就職難が主因」という見出しの記事を掲載した。2011年の大学院入試志願者は全国で150万人以上であり、北京地区だけでも26万人を超えているというのである。なお、“考研”は2011年1月9~10日に実施される予定である。

8つの大学院の志願者が1万人を超えた

 2011年大学院入試のインターネットによる出願は2010年10月30日に締め切られたが、全国の志願者総数は151.2万人で、2010年よりも11.2万人増加した。

【表1】大学院入試の志願者数・合格者数・倍率

  • (単位:万人)

年度 志望者数 合格者数 競争倍率
1997 24.2 5.1 4.7
1998 27.4 5.8 4.7
1999 31.9 6.5 4.9
2000 39.2 8.5 4.6
2001 46.0 11.1 4.2
2002 62.4 19.5 3.2
2003 79.7 27.0 2.9
2004 94.5 33.0 2.9
2005 117.2 32.5 3.6
2006 127.1 40.3 3.2
2007 128.2 36.4 3.5
2008 120.0 39.0 3.0
2009 124.6 41.5 2.9
2010 140.0 47.2 2.9
2011 151.2

 中国の大学卒業者数は、2009年が611万人、2010年が630万人であった。これら大学卒業生のどれほどの人数が大学院入試に志願したのかは分からない。大学卒業後に就職、あるいは浪人した後に大学院入試に挑戦する人たちも多数いると思われるが、大学院入試志願者数が年々増大していること、大学卒業者数に対する大学院入試志願者数の占める割合が高いことは間違いない事実である。ちなみに、日本の2007年度の修士課程入学志願者数は24.3万で、合格者数は15.5万人で倍率は1.6であった。また、2009年の日本の大学卒業者数は54.1万人、就職した人は32.9万人、大学院進学者は7.3万人、就職も進学もしなかった人は8.7万人であった。<注>

<注>文部科学省の「学校基本調査」2007年度および2009年度による数値

 さて、「北京日報」の記事によれば、北京地区の大学院における2011年“考研”志願者総数は26.4万人となり、8つの大学院の志願者が1万人を超えた。そのうち志願者数が最多の“北京大学”修士課程は2.2万人であり、これに続くのが、“中国人民大学”1.9万人、“北京師範大学”1.4万人、“清華大学”と“中央財経大学”の各1.2万人などであった。“中央財経大学”によれば、修士課程志願者1.2万人は過去最大で、2010年に比べて26.6%増であり、2000年の志願者数の10倍となった。また、その専攻別で見ると、金融、会計、財経、企業管理、経済などに志願者が集中し、“中央財経大学”ではこれら専攻の倍率が5倍以上となり、“対外貿易大学”でも金融、MBAなどの倍率は10倍に達している。教育専攻の修士課程志願者も増大しており、“北京師範大学”の教育学修士課程志願者は2010年に比べて251%増で、世界的な中国語学習ブームを受けて海外における中国語教育に関連する修士課程の人気が高まっている。

エネルギー関連の競争率が最大に

 ところで、大学院入学志願者の増大と対比されるのが、“国家公務員考試(略称:“国考”、国家公務員試験)”の志願者数である。2011年度国家公務員試験の志願者に対する受験資格審査は2010年11月26日に終了し、141.5万人が資格審査をパスして12月5日に行われた筆記試験を受験した。2011年に募集する国家公務員ポストは9763個、その募集総数は1.6万人であり、平均競争倍率は87.5倍で2010年の93倍を下回った。“国考”の資格審査をパスした志願者総数は2009年に105.2万人となり、2010年144.3万人、2011年141.5万人と3年連続で100万人を突破した。ただし、毎年30%程度の志願者が受験を棄権するのが通例であり、12月5日の実質的な受験者数は100万人前後であったものと考えられる。とにかく、志願者数は2003年の12.5万人から2011年の141.5万人まで8年間で11.3倍に増大したのである。<表2参照>

【表2】国家公務員試験の募集人数・志願者数・競争倍率

募集ポスト数 募集人数(人) 志願者数(万人) 競争倍率
2003 5400 5475 12.5 16.7
2004 4036 7572 18.2 24.0
2005 5456 8271 31.0 37.5
2006 6053 54.0 52.5
2007 6361 12724 74.0 58.2
2008 6691 13787 80.0 76.3
2009 7556 13566 105.2 77.5
2010 9275 15526 144.3 93.0
2011 9763 16207 141.5 87.3

 中国の国家公務員試験は、各官庁が人員募集を必要する具体的ポストおよびその人数を公示し、受験志願者は個々のポストに応募して試験を受ける形式である。“国考”の筆記試験が終了すると、全体を通じた合格ラインが設定され、その点数以上の受験者は筆記試験の合格者となるが、合格者であっても本人が志望するポストに採用される可能性が少ない合格者に対し志望変更の調整が行われ、3月頃に各官庁の面接が行われて採用の可否が最終決定されることになっている。

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「293万人が押し寄せる「大学院」「国家公務員」の試験」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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