• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

次は「ポルトガル」、欧州銀の問題も深刻

【検証:ユーロ危機1】米シティのビュイター氏「債務の再編は不可避」

2010年12月16日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ユーロ加盟国を襲うソブリン債務危機が深刻な状況に直面している。ギリシャに続きアイルランドがEU(欧州連合)・IMF(国際通貨基金)の緊急支援を仰ぎ、ポルトガルもそれに続くと見られている。

 泥沼化するユーロ危機は、この先どこへ向かうのか。ユーロ問題に詳しい識者の見方を紹介していく。

 第1回は、米シティグループのチーフエコノミスト、ウィレム・ビュイター氏。ユーロ圏周辺国の政府の債務問題だけではなく、欧州には依然として不健全な銀行が多いことが、事態を悪化させていると指摘する。いくつかの政府や銀行では、債務再編が必要とも言う。

(聞き手は日経ビジネスロンドン支局、大竹剛)

―― 「我々はソブリン危機の第1幕を目撃しているにすぎない」と主張している。どういうことか。

米シティグループのチーフエコノミスト、ウィレム・ビュイター氏

 ビュイター ユーロ圏のいくつかの政府は財政的に持続不可能な状態にあり、ECB(欧州中央銀行)による資金供給などの“生命維持装置”によって生かされている経営難の銀行も数多くある。その中には、最終的に債務の再編に直面しなければならない政府も出てくるだろう。事実上破たん状態にある銀行の中にも、倒産か、債務の株式転換や無担保債務の一部減免でバランスシートをリストラしなければならないところもあるだろう。最後の破綻国が債務再編を終え、破綻銀行の大半がリストラか倒産するまでには、数年かかるかもしれない。

 ユーロ圏には、国家を超越した財政当局は存在しないし、救済に駆け込みそうな顧客(ユーロ加盟国)に対応できるほど十分な規模がある流動性供給機関もない。EFSF(欧州金融安定基金)とEFSM(欧州金融安定化メカニズム)、IMF(国際通貨基金)の合計では、アイルランド、ポルトガル、そしてスペインに対応するのに十分ではない。もし、ソブリン危機の伝播が十分に広がったら、最終的にこれらの国は即座に市場以外から資金調達をしなければならなくなる。

 ご承知の通り、危機は予想不能で事態は急に変化する。市場からの資金調達ができなくなった国家や銀行に資金を提供し、投機的な攻撃を防ぐために十分な流動性を即座に供給できる存在は、唯一、ECBだけだ。もちろん、ECBは、こうした擬似財政的なやり方で活用されることを非常に嫌がる。それでも、私はこれ以外には方法はないと見る。

銀行の危機がアイルランドを“破綻”へと導いた

―― EU(欧州連合)とIMFは、ギリシャを救済した際には一時的に市場の不安を払拭することに成功したが、アイルランド救済ではポルトガルやスペインへの危機の伝播を抑えられていない。当時と今では、何が違うのか。

 市場は徐々に、ユーロ圏にはギリシャだけではなく、いくつかの国が潜在的に破綻状態にあるということを学んでいる。アイルランドの状況は、銀行危機から始まった。アイルランドの銀行部門が破綻状態に陥り、政府はこれらの銀行が抱える無担保の負債の大部分を不注意にも保証してしまった。これが、この国を破綻状態に引きずり込んでいる。

 世間の人たちは、もっと多くの欧州銀行が市場での資金調達が困難になっていると気が付いている。例えば、ポルトガルの銀行は、ECBを通じてしか資金調達ができていない。ポルトガルの銀行は、特に経営状況が悪いわけではない。問題は、ポルトガル国債を大量に所有しているということだ。

コメント0

「大竹剛のロンドン万華鏡」のバックナンバー

一覧

「次は「ポルトガル」、欧州銀の問題も深刻」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授