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強烈な成功体験がアダになる

中国の「国情」理解なしにコミュニケーションは図れない

2010年12月28日(火)

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 「最近、会議に出るのも、社員と話すもおっくうで・・・。社員が何を考えているのか、どうしたいのか、どんどん分からなくなってきてしまいました」

 その日系企業の総経理(社長)は、見ているこちらが気の毒になるぐらい落ち込み、どんどん小声になって行きました。「いったいどうしたのですか。1年前はあんなに元気に中国事業のことを話していたじゃないですか」。私は元気づけるように話を続けました。

活力に満ちていた1年前

 その会社はネット系の事業を営んでおり、著しい成長を続ける市場を取り込もうと中国に進出しました。日本でも急成長しており、30代の若い総経理は会社の命運をかけて送り込まれたエース級の人材です。やる気に満ちて、とても優秀。日本では営業マンとしていちはやく業績を上げ、将来の幹部候補として制作やデザインの部門も経験し、肝入りで赴任してきました。

 私は赴任前から進出後の運営について相談に乗っていました。総経理になることが決まっていたその方は、インターネットのことなら表から裏まで把握していると言わんばかりに自信満々でした。

 社員の採用も順調に進み、会社の立ち上げは滞りなく進んでいました。事業の「垂直立ち上げ」を図るべく、総経理は複数のプロジェクトを設置し、いくつもの会議を同時進行で進めていました。それぞれに担当者を指名し、総経理が責任者となって采配を振っていました。

 会議以外でも自ら営業の最前線に立ち、社員とのコミュニケーションを増やすべく会食も頻繁にこなしていました。万事が順調に推移しているように見えましたが、半年を過ぎたころから総経理のストレスが少しずつ目に見える形で出てきたのです。

 その最大のものは会議を含むコミュニケーションでした。頭が切れる彼は合理的、かつ論理的に自分の経験や知識を披露しつつ社員と接していましたが、時間が経てば経つほど、社員の反応が目に見えて鈍くなってきたのです。

「あなたは何も分かっていない」

 総経理は「何かおかしい」と感じながらも、「俺の言うとおりにしていれば必ず成功する」と社員に対して熱弁を振るい続けていました。ところが、そのうち数人の社員が退職を申し出てきたのです。

 総経理はその理由がわかりません。「なぜ? どうして?」「俺は昼夜問わずこんなに頑張っているのに・・・」「日本の経験に照らしても絶対に成功する自信があるのに・・・」。退職を申し出た社員と話す機会を持ち、いろいろヒアリングをするものの理由は「個人的な都合で・・・」「勉強になりました・・・」などとしか言ってくれません。

 そして、ついにこの総経理が最も信頼を置き、立ち上げ時から一緒に汗を流してくれた社員までもが会社を辞めると言い出しました。必死に慰留したものの決心は固かった。総経理は「別の機会を設けるから、理由をじっくりを聞かせてくれ」と頼み込みました。後日、2人きりで話した際、総経理はこの社員の口からショッキングな言葉を聞くことになるのです。

「あなたは中国のことを何も分かっていない」

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