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米雇用統計に隠された真実

潜在的失業者を含めると失業率は17%に

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2011年1月4日(火)

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Drake Bennett(Bloomberg News記者)
米国時間2010年12月16日更新「Behind the Jobs Number: A Messy Reality

 経済政策の担当者が見守っている多くの統計の中で、「雇用統計」ほど重要なものはない。そして2010年はその数値が下がらない年だった。現在、米国の失業率は10%弱で、年初と同じレベルを行きつ戻りつしている。

 雇用統計に対する人々の信頼は厚い。だが、一方で雇用統計は、より複雑化している現実を覆い隠してしまっている。世論調査やニールセンの視聴率調査と同様にこの数値は、複雑な調査と計算の過程を経て得られる単なる予測値にすぎない。数字をはじき出す前提を理解しないと、その値から何が分かり何が分からないかを十分に理解することはできない。

過去4週間に就職活動をしていないと失業者にカウントされない

 貧困層は昔から存在した。しかし、失業という概念は近年のものである。19世紀の欧州と米国では、失業と貧困を概念的に分ける必要がなかった。地主階級を除くすべての人々にとって、「仕事をしていないこと」は「貧困」を意味したからだ。

 英国の「救貧法」は極めて道徳的意味合いが強い。救貧法により、各教区・行政区は(病気などのために働けない者など)「労働不能貧民」向けの救貧院(almshouse)と(怠けていて働かない者など)「健常」貧民向けの救貧院(workhouse)をつくるよう求められた。そして、物乞いや路上生活者は投獄されたり、処刑されたりすることすらあった。

 一般大衆の意識を変えたのは大恐慌だった。失業が珍しいものではなくなり、一気に中流階級まで広がっていく様を目の当たりにして、今までは個人の道徳的弱さによると考えられていた失業が何か別のもの、つまり、低迷する経済の一症状であるという認識に変わったのである。

 ここで初めて、各国政府は失業者の数を数えようとした。米国が初めて失業者数を発表したのは1940年だった。その数値を導き出す調査は、大恐慌によって職を失った数百万人に仕事を与える米雇用対策局の取り組みであった。これはとても適切な措置だった。

 失業率の計算で中核を成すのは、誰が失業者か?という定義だ。基本的に、働きたいという意志があり、かつ積極的に職探しをしている者でなければ失業者とはならない。失業率を算出している米労働統計局(BLS)の全国家庭調査は、過去4週間に職探しをした者だけを失業者と定義している。職探しとは、例えば履歴書を送ったり、広告を出したりといったことだ。これは当然のことで、仕事を探そうとしない者が職に就くことなど、あり得ないからだ。

実質的な失業率は11.3%に上る

 BLSは、職を探そうとしない人々は、労働力人口にすらカウントしない。従って、現在の厳しい経済状況のために働いていない多くの男女が、公式統計には含まれていないことになる。

 BLSでもこれら非雇用労働者――現在、職に就いていないが働く意志があり、過去1年間に職探しをしたが4週間以内に探していない人々――の動向を追跡してはいる。失業者に分類していないだけだ。BLSでは彼らを「marginally attached to the labor force(あと少しで労働人口に加えられる人々、労働人口予備軍)」と呼んでいる。

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