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CIA長官「暴露された機密情報の影響を調べよ」

2010年12月28日(火)

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 内部告発サイト「ウィキリークス」が世界を震撼させている。世界中の米大使館や領事館からワシントンに送られた外交機密文書が暴露され、米国政府が本音で何を考えているのか、どのような情報をどのように分析し、どのような外交を展開していたのか、その外交の「手の内」が明らかになってしまったのである。

 米国政府はウィキリークスに対する国際的な包囲網を形成して圧力をかけ、創設者のジュリアン・アサンジは2010年12月7日に英国で逮捕。各国政府や民間企業がウィキリークスの「締め出し」に躍起になる中、ウィキリークスを支持するネットの「反乱勢力」が世界規模でサイバー攻撃を仕掛け、世界で初めて本格的な「インターネット戦争」が展開されている。

 かつて米国と覇権を争っていたソ連ですらできなかったほどの大打撃を米政府に与えたウィキリークス。ただの一非政府組織が、なぜこれほどまでの力を持つことが出来たのだろうか。

 そもそもウィキリークスとはどんな組織で何を目指しているのか。誰が大量の米機密文書を漏洩したのか。そしてこの米機密文書の暴露は、オバマ政権と世界に今後どのような影響をおよぼすのだろうか。

 21世紀の国際政治のプレーヤーになったウィキリークスと前代未聞の機密情報暴露事件を徹底的に検証する。そして3回目の今回は・・・ 

(日経ビジネスオンライン編集)

 「ウィキリークスの暴露した機密文書が我々の外国との関係や工作活動に与える影響について至急調査せよ」

 こう部下に命じたのはレオン・パネッタCIA(米中央情報局)長官である。

 12月22日付の『ワシントン・ポスト』紙は、CIAが、ウィキリークスの公開した米外交公電や米軍の機密ファイルのインパクトを評価する目的で、特別チームを設立したことを明らかにしている。その名も「ウィキリークス・タスク・フォース」。CIA内では頭文字をとって「WTF」と呼ばれている。CIAのカウンター・インテリジェンス(防諜)センターが中心となり、局内の各部署から要員を数十名集めて結成されたという。

 米国防総省や国務省もすでにウィキリークスの対策チームを立ち上げて、ウィキリークスが暴露した機密文書が米国の国家安全保障に与えた損害を評価し、ダメージを最小限に抑えるためのダメージ・コントロール対策を実施している。まさに米政府を挙げてウィキリークス対策に追われている。

 一方、この非政府組織の信頼性に打撃を与えることを狙ったと思われる反ウィキリークス・キャンペーンも各方面で展開されている。

 12月中旬に主にアラブ系のメディアで、「ウィキリークスはイスラエルと取引をして、イスラエルに不利となるような文書の公開を差し控えることで合意していた」とする説がまことしやかに流れた。「Syriatruth」というアラブ系のニュースサイトが噂の源のようだが、この記事は「数カ月前にジュリアン・アサンジと仲違してウィキリークスを去った元職員から得た情報だ」として、明らかにかつてアサンジの右腕だったダニエル・シュミットから得た情報であることを示唆していた。

 シュミットはアサンジの独善的な運営手法を批判してウィキリークスを去り、2011年1月に『インサイド・ウィキリークス』というウィキリークスの暴露本を出版し、同時にライバル・サイト「オープン・リークス」を立ち上げることを明らかにしている。

 「Cryptome」という別の内部告発サイトが、この「ウィキリークス・イスラエル取引説」についてシュミットに取材し、そのメールのやり取りを全文公開しているが、シュミットはイスラエルとの取引を全面的に否定し、またSyriatruthのジャーナリストからこの件で取材を受けた事実もないことを明らかにしている。

 シュミットもCryptomeもウィキリークスとはライバル関係にあり、ウィキリークスを擁護する立場にないことから考えると、「ウィキリークス・イスラエル取引説」は、ウィキリークスにダメージを与えるための「ディスインフォメーション(偽情報)」であると考えた方がよさそうだ。

コメント1件コメント/レビュー

中露の諜報網が手を出せなかった情報が一介の下士官には持ち出せた、或いは、一介の下士官に持ち出せた情報について中露の諜報網は知ることなく盗みもしなかったと信じて良いのですか?(2010/12/29)

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「CIA長官「暴露された機密情報の影響を調べよ」」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

中露の諜報網が手を出せなかった情報が一介の下士官には持ち出せた、或いは、一介の下士官に持ち出せた情報について中露の諜報網は知ることなく盗みもしなかったと信じて良いのですか?(2010/12/29)

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