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ヘルスケア改革法の行方左右する60年前の最高裁判決

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2011年1月11日(火)

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Greg Stohr(Bloomberg News記者)
米国時間2010年12月29日更新「The Court Case Haunting Health Care

 かつて、オハイオ州デイトンにロスコー・フィルバーン氏という人がいた。茶会運動など存在しない60年ほど前、フィルバーン氏は、自分の農場に対して連邦政府が余計な干渉をしたとして連邦政府と対立した。政府が定める割当量を超えて秋まき小麦を生産したとして、米農務省がフィルバーン氏に罰金を課した。同氏はこれを不服とし、訴訟を起こしたのだ。この裁判は、最高裁にまで持ち込まれた。

 1942年に判事が全員一致で下した判決は、フィルバーン氏の敗訴。この判決によって議会は、各州間の通商を規制する権限は拡大した。その範囲は環境や消費者保護、労働環境の安全確保などを定めた法律にまで及ぶことになった。この判例はいまだに影響力を持っている。「ウィッカード対フィルバーン訴訟」の最高裁判決は、バラク・オバマ大統領の医療保険制度改革法への異議申し立てが成功するかどうかを左右しかねない。

個人で使う小麦まで規制の対象とした

 フィルバーン氏は移民5世の農家で、他人の下で働いたことがないことを自慢にしていた。彼は自分の90エーカーの農場で家畜やニワトリを飼い、作物を育てていた。

 いっぽうクロード・ウィッカード農務長官は1938年の農業調整法を行使して、小麦の価格を上げるために生産制限を課した。フィルバーン氏はこれに反抗したのである。

 フィルバーン氏は、連邦政府から補助金を受け取っていたが、政府が自分の作付け量を制限することを承知していなかった。1940年の秋、彼は秋まき小麦を23エーカーの農地にまいた。これは彼に割り当てられた11.1エーカーの面積の2倍以上だった。その結果、117.11ドルの罰金が科せられ、訴訟となった。

 こうした生産量の割り当ては四半世紀の間、農産物価格の下落に苦しんできた農家を助ける目的で、政府が実施したものだった。だが「政府が農家に作付け量を言い渡すことが父には正しいと思えなかった」とフィルバーン氏の息子、ロスコー・フィルバーン・ジュニア氏は振り返る(彼らの姓の綴りは年月を経て、FilburnからFilbrunに変わった。息子は現在フロリダ州に住んでいる)。

 最高裁で争われたのは、フィルバーン氏が家畜の餌にしたり敷地内で使う小麦粉の生産量を議会が規制できるのか、という点だった。判決は、フィルバーン氏が自分で小麦を作り、よそから買わなかったために、国内および国際市場に影響を与えたとした。フィルバーン氏個人が州際市場に与えた影響はわずかかもしれないが、「彼と同じ状況にある多くの人々の影響すべてを合わせると、わずかどころの騒ぎではなくなる」と、ロバート・ジャクソン判事は述べている。

 ルイビル大学ロースクールのジム・チェン学部長は「当時この判決の重要性に気付いた人はほとんどいなかった」と語る。それでもこの判決は、議会の権力が事実上無制限となる時代の到来を告げるものだった。

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