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弱みを自覚し、失敗を直視する韓国の強さ

第17回:対中国で急接近する韓国とベトナム

2011年1月11日(火)

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 このコラムのスタンスは、韓国企業の強みと弱み、グローバル戦略と新興国ビジネスモデルの特徴などを分析し、日本企業のアジア戦略やグローバルマーケティングにおいてヒントや刺激になる点を紹介すること。また、韓国企業情報を活用し、いかに日本企業が韓国企業と戦うか、もしくは連携するかということだ。

 ただ、日本企業が、韓国企業を学んでいるようでは、それを超えることができないし、社会や企業の構造上どうしても学べない点が多々ある。だから「韓国企業に学ぶな!」という副題を付けている。繰り返して言えば、日本企業に欠けた情報や視点を補うことにより、日本経済の再興や日本企業の活性化に資することである。

 したがって韓国企業を直視できるかできないかは、ビジネスパーソンの経営センスやグローバルマインドを量る試金石となるであろう。これは、韓国企業についての情報量の多寡の問題でなく、受け入れる姿勢の問題だ。韓国企業に目や耳を覆うことは、韓国企業を利することであり、日本企業を害することとなる。

韓国の強みは、失敗を直視してきたこと

 昨今、日本のメディアでは、韓国企業の強みだけがクローズアップされているが、韓国企業の弱みや失敗事例を挙げるならば日本企業の数倍に上るであろう。ただ、韓国企業が他の企業と違うことは、多くの弱みを誰よりも自覚し、多くの失敗を直視することにより、これらを教訓とするのみならず、強みに変えてきたことだ。

 その1つが、官民連携だ。官民連携は、今でこそ韓国の強みになっているが、1960年代から70年代の高度成長期には、政経癒着という形で不正の温床であった。その後のアジア通貨危機や財閥改革の引き金にもなった。

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 今、日本は、経済の再興を図るため大きな方針転換を図っている。これまで前近代的なやり方として嘲笑っていた官民連携による海外進出を積極に進めている。日本政府は、官民連携によるインフラ輸出を軸に据えた新成長戦略を発表している。また、先進国市場重視からアジア市場重視に転換している。経団連の米倉弘昌会長は、「アジアとの連携強化は、一番重要だ。春には経済視察団を率いてアジア各国のリーダーと意見交換する。その後、中国にも2回訪問を予定している」と述べている。

 この官民連携によるアジア市場開拓で突破口にしようとしているのが、ベトナムだ。2010年10月にハノイで開催された菅首相とズン首相の日越首脳会談で、ベトナムの原子力発電所の第2期工事建設・運営を受注した。また、中国からの輸入が滞っているレアアースでも鉱山の共同開発で一致した。ベトナム原発受注は、日本のインフラ輸出の起爆剤になるとの期待が高まっている。

 この成功の裏側には、日本も失敗から学んだ体制作りがやっと機能し始めたことがある。アラブ首長国連邦(UAE)での受注競争では韓国勢に敗れ、ベトナムでも第1期の受注ではロシア勢に競り負けた。

 そこで、菅首相をはじめとする仙谷官房長官(2010年5月当時、国家戦略相)や大畠経済産業相と、東京電力や東芝などとの官民の連携プレーが本格化した。日本は、官民のオールジャパン体制で、日立・東芝・三菱重工の原発メーカー3社、電力会社9社、政府出資の投資ファンドが結束して新会社「国際原子力開発」を設立し、ベトナム側のあらゆるニーズに応えた。また、安値受注を狙う中国や韓国、軍事協力を武器にするロシアなどのライバル対策にも手を抜かなかった。その結果、人材開発から資金の支援、核燃料の安定供給、放射性廃棄物の管理までベトナムの条件をすべて満たし、受注に至った。

 尖閣諸島問題などを巡って中国との間にあつれきを抱える日本と、南シナ海の島々の領有権を巡って中国と争っているベトナムが、中国をけん制するという思惑が一致したという追い風もあった。

 韓国は、これまで日本に追いつけ追い越せの一念で死力を尽くして走ってきた。しかし今回は、日本が、韓国を強く意識して実を結んだという見方もできる。その証拠に「韓国は、菅政権の教科書」(朝日新聞)、「日本政府が取り組む新経済戦略は、韓国対策」(毎日新聞)などと書き立てられている。

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