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中国レアアース業界の深層

政府の輸出規制の陰で、今も盗掘と密輸出が横行

2011年1月17日(月)

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為了ニウ転稀土“定価権”
 「新世紀」記者 厳江寧

今週の読みどころ(ミニ解説)

 「日経ビジネス」と「日経ビジネスオンライン」はこのほど中国の「財新メディア」と提携し、同社の雑誌やウェブサイトの記事を掲載することになりました。ご好評いただいている「経済観察報」と同様、現地メディアならではのディープな中国情報をセレクトしてお届けします。ご愛読をよろしくおねがいします。

 記念すべき第1回は、財新メディアの主力週刊誌の「新世紀」から、中国レアアース業界の実態についての記事です。日本では昨秋、尖閣諸島沖での“漁船衝突事件”の後に中国がレアアースの輸出を一時停止したのを機に、レアアースへの関心が一挙に高まりました。日本は世界最大のレアアース輸入国であり、高性能の電子部品やエコカーの心臓部である電池やモーターの生産に欠かせない希少素材であること、その世界供給の9割以上を中国産が占めていることなどが大きく報じられ、危機感が強まったからです。

 しかし、中国のレアアースがどこでどのように採掘され、輸出されているのか。なぜ世界供給の9割以上を占めるに至ったのかについては、日本ではほとんど情報がありません。詳しくは本文に譲りますが、その裏には民間による乱開発と密輸出の横行という驚くべき実態がありました。

 中国政府は昨年、レアアースの輸出許可枠を前年比4割も削減しました。しかし記事によれば、現実には盗掘と密輸出を通じて世界需要を上回る供給が続いているといいます。中国の巨大な「地下経済」の動きをつかまなければ、日本の産業界への本当の影響は測れないと言えそうです。

 齢60過ぎの唐寅軒(タン・インシュエン)は、これまでに江西省を何度訪れたか数え切れない。浙江省の素材メーカー、杭州大明蛍光材料の董事長(会長に相当)を務める彼は、3年前に江西省に投資し、レアアース(希土類)を利用した発光素材の工場を立ち上げた。だが昨年、レアアース市場の熱気が高まる中で、唐寅軒は苦労して軌道に乗せた工場の経営権を国有鉱業コングロマリットの五鉱グループに譲渡することを決断した。

 「五鉱と提携できてよかった。資金力なら自分たちだけでも問題ないが、何と言っても五鉱は中央企業*だ。政府は今後、資源ビジネスを中央企業とその直属子会社を通じて統制する。自分たちのような中小の民営企業が事業を成長させるのは難しい」

* 中央政府直轄の大手国有企業のこと。中国には地方政府傘下の国有企業が多数あるが、中央企業は122社しかない

 そう話す唐寅軒は、もともとは浙江大学化学学部の教授だった。中国のレアアース資源の経済的価値に魅せられ、商人の道に転身してから21年になる。同様の決断を迫られたのは彼だけではない。2008年以降、レアアースの主要産地である内モンゴル自治区や江西省では、数多くの民営企業が国有企業の傘下に入った。

 業界再編とともにレアアースの取引相場は上向き始め、2010年末には年初のほぼ2倍に上昇した。例えば酸化ネオジムの価格は、かつては1トン当たり5 万元(約63万円)を下回っていたが、2008年には同10万元(約125万円)前後になり、現在は同20万元(約250万円)を超えている。

乱開発が招いたダンピング

 「中国はレアアースの価格決定権をようやく掌握しつつある。貴重な資源をまるで“白菜”のように叩き売り*する必要はもうない」。ある業界関係者はそう感慨深げに話す。

* 中国語で「白菜」は安価でありふれた品物の代名詞として使われる

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