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「環境ビジネス」宴の後の泥沼

発電所の脱硫装置の4割に問題、過当競争のツケ

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2011年1月31日(月)

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電廠脱硫後遺症
「新世紀」記者 于達維 李虎軍

今週の読みどころ(ミニ解説)

 経済成長の続く中国では、急増する電力需要を賄うために発電所が続々と建設されています。一方、大気汚染を緩和するため中国政府は火力発電所への環境規制を強めています。発電所の増加と環境規制の強化は、環境ビジネスを手がける企業にとって巨大な商機を意味します。

 しかし現実は甘くありません。今週は財新メディアの「新世紀」誌から、石炭火力発電所の排煙浄化ビジネスについての記事を取り上げました。中国政府は全国の火力発電所に2010年末までに脱硫装置を設置するよう義務づけましたが、フタを開けてみると、その4割が安定して運転できないなどの問題を抱えていることがわかりました。商機を当て込んだ脱硫業者の乱立でたちまち過当競争に陥り、ダンピングや手抜き工事が相次いだのが原因です。

 「環境技術大国」を自任する日本では、中国の環境ビジネスへの期待が官民ともに高まっています。しかし排煙浄化と同様の過当競争は、風力発電、太陽光発電、水処理などの分野でも既に起きています。市場全体の大きさや成長率ばかりに目を奪われず、業界の実態をきちんと把握して戦略を立てる周到さが求められています。

(岩村 宏水=ジャーナリスト)

 四川省成都市にある嘉陵発電所の運営会社は、2010年の年の瀬になっても環境保護当局の運転再開許可を得られずにいた。

 この石炭火力発電所は「排煙浄化のための脱硫装置を正常に稼動させていない」という理由で、環境保護省(環保省)と国家発展改革委員会(発改委)に社名を公表された8社のうちの1つだ。嘉陵発電所の2組の発電ユニットに取り付けられた脱硫装置は「運転が不安定で、故障率が高い」ため、排煙中の二酸化硫黄の濃度が国の基準値を大幅に超えていたのである。

 嘉陵発電所は2010年3月に操業停止に追い込まれた後、運転再開の申請を何度も行ったが、成都市環境保護局にことごとく却下された。地元メディアの報道によれば、理由は改善措置の不十分。発電ユニットが旧式で、ボイラーの除塵装置と脱硫装置が安全かつ安定的に運転できないのだ。

 同様の問題を抱える発電所は、実は環保省と発改委が名指しした8社だけに限らない。さまざまな理由で脱硫装置が正常に稼働していない石炭火力発電所が全国にあまたあるのが実態だ。

脱硫装置は“お飾り”の発電所も

 火力発電所の「脱硫ビジネス」に詳しい張氏は、中国の脱硫業界のパイオニアを自任する人物だ。10年前にこの業界に身を投じたが、最近はなるべく新規のプロジェクトを請け負わないようにしているという。

 「受注価格が低すぎ、手抜き工事でも行わなければ利益は微々たるものだ。国有企業を後ろ盾に持つ新規参入組が多いので、コネの面でも歯が立たない」。そう話す張氏は、ここ数年はもっぱら“救済者”の役回りでいくつかのプロジェクトを引き受けている。過去に別の脱硫企業が設置した装置が、トラブル続きで手直しを迫られているのである。

 トラブルの原因は表向き、(発電所が品質の悪い石炭を燃やすなど)設計上の想定と実際の状況が違うためだとされている。しかし「本当の原因は脱硫業界の過当競争にある」と張氏は断言する。彼の見立てによれば、既に設置されている脱硫装置の2~3割がトラブルをかかえている。

 一方、国家排煙脱硫工程技術センターの尹華強主任はこう指摘する。

 「発電所の脱硫装置の中には、ふだんはただの“お飾り”で、当局の検査が入る時だけ運転するものも少なくない」

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