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“ダダ漏れ” 「アフガン戦争は正しい戦争」と言い続けるオバマの迷走ぶり

2011年2月8日(火)

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オバマは言う。アフガニスタン戦争は「正しい戦争」

 2010年11月28日にウィキリークスが公開を始めた米国務省の秘密公電は、アフガニスタン戦争をめぐるオバマ政権内部の迷走ぶりを、リアルに伝えている。

 もともとバラク・オバマは、大統領選挙キャンペーンの時から「アフガニスタン戦争を外交・安全保障政策の最優先課題にすべきだ」と主張していた政治家の1人だった。

 イラク戦争に反対した数少ない議員の1人として、オバマ氏は「イラク戦争は間違い、アフガニスタン戦争は正しい」と位置づけていた。アフガニスタン戦争の立て直しは、バラク・オバマの選挙公約の1つであった。

 2001年11月に、わずか1カ月足らずの戦闘で国際テロ組織アルカイダを庇護していたタリバン政権を崩壊させた米国は、ハミド・カルザイ氏を中心に国内各勢力の代表を集めた新政府を誕生させた。

 野に下ったタリバンやアルカイダの指導部は、アフガニスタン国境を越えてパキスタン側の国境付近に潜伏し、カルザイ政権に対する反乱武装闘争を指揮した。このアフガニスタンとの国境付近は、パキスタン政府の実効支配が及ばない「連邦直轄部族地域(FATA)」と指定されており、部族による独自の慣習法と自治が認められている。

 政権を追われたタリバンは、いわばパキスタンに「亡命政府」をつくってカルザイ政権への反乱闘争を続けているのである。

 タリバン政権崩壊後、国際社会の支援を受けて誕生したカルザイ政権は、タリバンの影響力の強い南部・東部の実効支配に失敗し、莫大な国際社会からの援助にもかかわらず、経済復興を実現し雇用を創出することができずにいる。

 カルザイ政権の閣僚やその親族ばかりが裕福になり、腐敗が蔓延する中、同政権は民衆の支持を失い、それと同時に反政府勢力としてのタリバンが徐々に力を盛り返していった。

 タリバンはアフガン政府の治安機関や米軍など外国軍に対するテロを激化させ、治安は著しく悪化。治安が悪くなれば復興事業はストップし、復興が進まなければ政府や米軍に対する民衆の不満はますます増大し、タリバンへの支持が高まるという悪循環に陥り、タリバンの支配地域が次第に拡大していった。

 こうした中でオバマ政権は、2009年12月1日に、3万人規模の新たな米軍部隊をアフガニスタンに派遣し、2011年7月には撤退を開始することを盛り込んだ新アフガン戦略を発表した。3万の増派部隊をタリバンの影響力のもっとも強い南部・東部地域に投入し、タリバンの勢いを止める。

 そして、アフガン政府の能力、とりわけ治安機関を強化して、アフガン側に早期に権限を移譲していくという戦略であった。

生半可なレベルでない腐敗状態のカルザイ政権

 オバマ政権がわざわざ撤退開始期限を明示したのには理由があった。

 通常軍隊を派遣してこれから戦争をやろうという時に、「~までに撤退します」と宣言することはない。敵は喜んで米国が撤退するまで待って、その後にアフガン政府を倒してしまえばいいからだ。

 あえてそうせざるを得なかったのは、カルザイ政権がいつまで経っても米国の支援に対する依存を断ち切ることができず、自らの足で立ち、アフガン政府の機能向上に努めようとしないからだった。カルザイ政権の腐敗が酷過ぎるため、何の条件もつけずにただ増派して、支援を強化しても無駄だと考えられたのである。

 実際、カルザイ政権の腐敗は生半可なレベルではない。2009年10月19日、カール・エイケンベリー駐カブール米国大使は、カルザイ政権高官たちによって、出所不明の現金が毎日のようにドバイに運ばれている様子を報告している。

 「報告には大きなばらつきがあるものの、カブール国際空港から入手した記録は、カブールからドバイへ莫大な額の不審な現金の移動が週ごと、月ごと、そして年ごとに起きていることを示している。極秘の報告書によれば、7、8、9月の3カ月間に1億9000万ドル以上の現金がカブールからドバイに運ばれている。しかし、実際の額はそれ以上であろう。直接情報を持つある職員が最近、大使館付財務省員に対して、7月中にたった1日で7500万ドルもの現金がカブール空港からドバイに持ち出されたと語っているからである」

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「“ダダ漏れ” 「アフガン戦争は正しい戦争」と言い続けるオバマの迷走ぶり」の著者

菅原 出

菅原 出(すがわら・いずる)

ジャーナリスト/国際政治アナリスト

アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒。在蘭日系企業勤務、ジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国危機管理会社役員などを経て、現在、国際政治アナリスト

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師