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“中東革命”で現実味、次の「天安門事件」

中国版ツイッターが情報統制を突き崩す

2011年2月9日(水)

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 2月3日は中国などでいう春節、旧暦の正月で、2月2日は除夕、つまり旧暦の大みそか。中華社会ではこの日をもって新年で、虎は去りウサギ(卯)の年がやってきた。卯は東の方角、日の出に象徴される再生の象徴だ。そして足が速い。

 その新年を迎える瞬間、「放鞭炮」といって、爆竹をならす風習がある。もっとも今の時代は爆竹なんて可愛いものではなくて、お金をかけた華やかな打ち上げ花火がばんばん上げられる。

春節花火とエジプトの銃撃映像がシンクロ

 2月2日夜から3日にかけて、そういう無数の花火が打ち上げられている北京の春節の様子を、知人が動画中継サイト・ユーストリームで中継してくれた。ツイッターアカウントからユーストリームのページに入ると、見慣れた北京の夜景に飛び交う花火の映像と、耳のつんざく爆竹音が流れた。インターネットやツイッターのおかげで、東京にいながら、懐かしい北京の春節気分を味わうことができた。

 しかし、その後、アルジャジーラのホームページでニュースを見ることになった。これも、ふと目にとまったツイッターのリンクから入った。タハリール広場で2日に発生した反体制派と親大統領派との激しい衝突の映像が流れていた。ツイッター上ではひっきりなしに、現場からの断片的な情報が流れてくる。

 軍が発砲した、611人以上負傷した、記者が親大統領派に暴行された後、行方不明だ…。1月25日から発生していたエジプトの反体制デモのニュースはそれなりに注目していたが、いつになく衝撃を受けたのは、広場という言葉と、そして春節の自動小銃の発砲音にも似た爆竹音が耳に残っていたからだ。

 この映像を見たあとに、春節花火の音を聞いていたら、おそらく北京を懐かしむより背筋が凍っただろう。天安門事件を連想せずにはおれないからだ。民主化を求めて北京・天安門広場に集まる寸鉄帯びぬ学生たちに向けて軍が発砲し、自由への望みを戦車が押しつぶした1989年6月3日から4日未明の事件である。

軍がデモ隊を武力鎮圧したか、しなかったか

 天安門事件について、今さら説明の必要はないと思う。この事件は中国国内の最高28%にも達した高いインフレ率や、中国共産党内の保守派と改革派の権力闘争という国内的要因に加えて、連鎖する東欧諸国の民主化という国際情勢の影響を受けている。

 1979年に初のポーランド人のローマ法王・ヨハネ・パウロ2世が誕生し、ポーランドの民主化運動を後押しした。1985年に共産党書記長となりペレストロイカとグラスノチの大改革を断行していたゴルバチョフは、ポーランドの民主化を阻害することなく、1989年に初の自由選挙が行われる。この波及効果でベルリンの壁が崩れ、チェコでビロード革命がおこり、ルーマニアのチャウシェスク大統領が失脚した。そしてバルト三国の分離独立、ソ連の崩壊…と続いていくのだが、こういう時代の空気の中で1989年の中国の若者の民主や自由への希求が醸成されていった。

 中国が東欧と違うのは、軍がデモ隊を武力鎮圧したか、しなかったかである。鄧小平が学生デモの武力鎮圧の指示を出さなければ、中国の形も変わっていたかもしれない。

コメント12件コメント/レビュー

先生は、否定的でありますが、淺学の私にはいずれ中国にも飛び火すると思います。情報統制が今の所、功を奏していますがTwitter,Facebookなどの応用ソフトがたちどころに出ると思います。中国の国民は、特に、知識層・若者・富裕層は情報入手に躍起になっている。表立って、抛棄しないのは、すでに情報を入手済みで様子を見ているのでは。(2011/02/18)

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「“中東革命”で現実味、次の「天安門事件」」の著者

福島 香織

福島 香織(ふくしま・かおり)

ジャーナリスト

大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002~08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

先生は、否定的でありますが、淺学の私にはいずれ中国にも飛び火すると思います。情報統制が今の所、功を奏していますがTwitter,Facebookなどの応用ソフトがたちどころに出ると思います。中国の国民は、特に、知識層・若者・富裕層は情報入手に躍起になっている。表立って、抛棄しないのは、すでに情報を入手済みで様子を見ているのでは。(2011/02/18)

さすが中国を敵視している「産経新聞」の記者さんの書いた記事、コメント欄をも読んでみたが、いっせいに拍手喝さいを送っている。やはり類は友を呼ぶという感じだ。つまりもともと反中的な連中がこの記事で連帯感を味わっているのだ。なんでいちいち中東の出来事をすぐに中国と結びつけて考えるのだろうか。よほど中国を心のそこから嫌っていることだろう。この記事の視点はもちろん、コメント欄の内容もほとんど攻撃的な口調、「第三次世界大戦」を引き起こすとか、「シナ人」と読んで中国人もはなはだしい表現を使っている。中国人として憤りを感じる。もっと冷静に客観に公平に中国を見てほしい。色めがねかけて見るべきではないのではないか。(2011/02/14)

微博で瞬間的”団結起来”する中国人民をおもうとき、89年6月4日天安門事件勃発前夜、当夜そして6日未明政府救援機で羽田に降り立ったあの3日間の凝縮された抑圧感が甦ります。当時私は連日天安門広場に赴き、天安門に上って見渡せば、広場と長安街を埋め尽くした百万群衆が脳裏に焼きついています。百万の魂から立ち上る「気」が広場上空を覆い、本来の民主・自由を心底希求した民衆がそこにはいました。"微博の中で人々が民主・自由を味わい、連携して圧政に抵抗すること”を体感している老百姓、そのエネルギーが実際に変革へ結実していくのか、どうか。醜聞の本領を発揮したレポートを期待します。(2011/02/13)

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