• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ヴァージン航空、米国での挑戦(2)

カリスマ経営者、リチャード・ブランソン氏の戦い

  • Bloomberg Businessweek

バックナンバー

2011年2月15日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

Brad Stone
米国時間2010年12月29日更新「Will Richard Branson's Virgin America Fly?

離陸を待つまでに1億ドルが無駄に

 開業資金を手に入れたヴァージンアメリカは、エアバスに16機のジェット機を注文し、それをヴァージン仕様にする作業に取り掛かった。シートは豪華な革張りに、閉鎖感を減らすため座席クラスごとの仕切りを半透明にし、タッチスクリーン式の娯楽システムを設置した。この娯楽システムでは、数十本の映画がオンデマンドで視聴でき(ライバルよりも本数が多い)、いつでも座席から菓子や食事を注文できる。

 2006年春、ヴァージンアメリカが運輸省に運航許可を申請すると、コンチネンタル航空(CAL)とアメリカン航空がブランソン氏を米国の空から締め出そうと立ち上がった。大手航空会社が運輸省に提出した嘆願書は、ヴァージンアメリカが外資規制順守を問題視した。プットオプション付きの出資は本当の株式保有ではなく、億万長者の英国人が裏で糸を引いているとの主張だ。

 その後、ワシントンやサクラメント、ヴァージンの新たな本拠地となったサンフランシスコのロビイストとの間で規制を巡る争いが18カ月間続いた。2006年12月には同社の運航許可申請が暫定却下されたこともあった。

 その間、ヴァージンは、保有する16機のうち数機を他社にレンタルしていたが、ほとんどは未使用のまま放置していた。ブランソン氏は就航開始の遅れは「法外な無駄遣い」で、ライバルは「我々を誕生と同時に窒息させようと必死だった」と語る。同氏は無駄にした金額を明言しないが、同社の当時の財務事情を知るある人物によると、“離陸”を待つ間に同社が無駄にしたのは1億ドル以上だという。この金額は一度も外に出たことがないため、この人物は匿名を希望している。

 運航許可を得るためにヴァージングループは、旅客機購入に関する決定を拒否する権利を放棄するといった条件に応じなくてはならなかった。フレッド・リード氏もCEOを辞めさせられた。ブランソン氏が外国資本に近すぎる人物をCEOに選んだ、と大手航空会社が非難したためだ。

 クッシュ氏を新CEOに据えたヴァージンアメリカは、2007年8月、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港とサンフランシスコ空港を結ぶ第1便をようやく離陸させることができた。一般的な困難すべてに加えて、当時は原油価格が歴史的高値となっていた。2008年7月には1バレル=145ドルの最高値を付けた。

 競合他社は燃料価格の上昇による影響を最小限に抑えるために先物を買っていたが、「認可が遅れ、事業がいつ開始できるか不確実だったため、原油価格をヘッジし切れなかった」とヴァージンアメリカのドナルド・カーティ会長は言う。同氏はアメリカン航空の親会社AMRの元会長兼CEOである。ヴァージンアメリカは2008年1~9月、同社は2億5900万ドルの売上高に対して1億7540万ドルの損失を計上した。

当初計画から大幅な遅れ

 こうした苦悶の船出の後、米国側出資者2社はオプションの権利を行使して、持ち株をヴァージンアメリカに売り戻した。これによって、ブランソン氏の持ち株が50%を超えたため、同社は現金不足と外資規制違反の危機に同時に直面した。その後、ヴァージングループはヴァージンアメリカに、さらに6000万ドルを貸し付けた(持ち株は増やさない)。サイラス・キャピタルも2000万ドルの融資に応じて、過半株主の地位を引き受けることに合意した。

 クッシュ氏やカーティ氏、ブッシュ(父)政権で運輸長官を務めたサミュエル・スキナー氏などのヴァージンアメリカ取締役も、規制をクリアーするために、合わせて21%の株式を保有した。

 その影響は大きかった。新たな株主構成の適法性を運輸省に認めてもらうまでに、同社の事業拡大計画は大幅に遅れた。当初はサービス開始後1年で10都市に就航し、5年以内に30都市に増やす計画だった。だが、スタートして2年の時点で、10番目のフォートローダーデールにやっと到達したところだった。ダラスは13番目である。

 モー・ガーフィンクル氏などのアナリストは、ヴァージンアメリカの成長は遅く、利益維持には不十分で、銀行預金がわずか2500万ドルしかないことが問題だと指摘する。これに対しクッシュ氏は、同社は7500万ドルの与信枠があると言いつつ、「どの航空会社幹部に聞いても『現金は多ければ多い方がいい』と答える」ことは認める。カーティ会長は、新規株式公開は「少なくとも18カ月は先」だと話している。

コメント0

「Bloomberg Businessweek」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の未来は、男性と同じ程度、女性のリーダーが作っていくものだと確信している。

ビル・エモット 英エコノミスト誌元編集長