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エジプト革命、必要だったのはオバマよりグーグル

「政策は嫌いだが文化は好き」、米国への愛憎相半ば

2011年2月16日(水)

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 「エジプト国民へ、日曜は仕事にもどろう。これまでにないくらいがむしゃらに働いて、エジプトが発展した国になるように手助けしよう」

 エジプト、カイロのタハリール広場の大群衆が、ムバラク大統領辞任の知らせに歓喜してから数時間後、ある“つぶやき”がツイッター上で駆け巡った。発言の主は、ワエル・ゴニム氏(30歳)。1月25日から始まった大規模な民主化デモをけん引してきた中心人物である。

 彼は一連の反政府デモを「レボリューション2.0」と呼び、フェイスブックやツイッターを駆使して若者を動員してきた。今やエジプトの若者間でヒーロー的な存在となっている。

 ゴニム氏は、警察に暴行され昨年6月に死亡した若者の名前を冠したページ「We are all Khaled Said」をフェイスブック内に匿名で立ちあげ、草の根で反政府活動を展開してきた。そのアラビア語のページは現在、約80万人をメンバーとして集めている。チュニジア革命後、彼はこのページを通じてムバラク大統領退陣を求めるデモを呼びかけた。

英雄の釈放、デモに再び活力を与える

 その影響力の大きさからゴニム氏は当局に目を付けられ、1月27日に突然逮捕され姿を消す。だが、2月7日に釈放されてからは反撃に転じた。積極的に地元や海外のテレビ局によるインタビューに応じ、反政府デモの顔となっていく。

 CNNとのインタビューでは、当局との衝突で命を落とした数多くの市民を涙ながらに悼み、デモを扇動したとして当局からターゲットにされたことや、拘留中に死を覚悟したこと、「誰1人として、我々の要求を阻むことはできない。彼らはもう、30年もこの国を支配し続けてきた。もう十分、うんざりだ」と声を震わせながら革命を完遂させる決意を示した。その映像はユーチューブで瞬く間に広がり、一躍、エジプト革命の旗手となった。

 反政府デモは、政府と野党勢力などが事態打開に向けて話し合いを始める中で膠着状態に陥っていた。だが、ゴニム氏の釈放でデモは再び勢いを増した。2月10日にはムバラク大統領が即時辞任を拒否する演説をし、これを機にデモ隊が怒りをさらに爆発させ、ムバラク大統領を最終的に追い詰めた。

 事実、ゴニム氏ほど、エジプト革命を象徴する存在はいない。エジプト革命のけん引役はインターネットと携帯電話を使いこなす若者世代。実に、人口の約3分の2が30歳以下というから、いかにエジプトは若者が多いかが分かる。しかも、ソーシャルネットワークを使いこなす学歴のある中流層が大きな役割を演じた。その意味で、ゴニム氏は文字通り「レボリューション2.0」の代表的な存在だ。

革命の旗手、素顔はMBAホルダーのグーグル社員

 ゴニム氏は、カイロのアメリカン大学でMBAを取得したほど高い教育を受けている。そして、ツイッター上のプロフィールで、自ら「インターネット中毒」と認めるほどのインターネット好きだ。勤め先はUAE(アラブ首長国連邦)のドバイにあるグーグルのオフィスで、中東・北アフリカ地域のマーケティングを統括する立場にあった。今回、デモに参加するために妻と子供をドバイに残し、エジプトに戻ってきた。

 インターネット世代の若者であることに加え、米国に代表される西側諸国に抱く愛憎半ばする感情でも、ゴニム氏は典型的なエジプト人の1人と言って良いだろう。エジプト人の多くは、米国流の開かれた民主主義や文化に好意を抱く一方、米政府の中東政策には嫌悪感を抱いている。ゴニム氏もまさにそんなエジプト人の1人だ。

コメント10件コメント/レビュー

国内の一般的な報道では「ソーシャルメディアを駆使する若者達によって、悪政を敷く政府への反体制機運が高まり、それが自然と民衆の支持を得て。。。(=美談)」ように取り上げられているので、「ああ、やっぱり首謀者が居たのか」と思いました。誰が一番得をするのか言及してほしいですね。(2011/02/17)

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「エジプト革命、必要だったのはオバマよりグーグル」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

国内の一般的な報道では「ソーシャルメディアを駆使する若者達によって、悪政を敷く政府への反体制機運が高まり、それが自然と民衆の支持を得て。。。(=美談)」ように取り上げられているので、「ああ、やっぱり首謀者が居たのか」と思いました。誰が一番得をするのか言及してほしいですね。(2011/02/17)

内容が今回のエジプト革命の表面しかさわれていない気がします.ネットはデモの人数を増やすのには非常に役にたったでしょうが、エジプト革命にまさに必要だったのはあのオバマの民衆を支持すると決めた態度の裏にある判断と50年以上にわたって支えた軍部がなぜ今回の決断したかです(アメリカとエジプト軍との関係).そこに本当にネットをうまく利用してきたオバマ政権がどう今回をとらえたのか、ネットが関わっていたのか.そういう記事を期待していただけに非常に残念ですね.もう少し分析が必要かと思います.(2011/02/17)

アンケートの選択肢に、不快に思った、読まない方がよい、がありませんね。この記事は、米国信奉者が米国の失墜を何とか食い止めようと躍起になって書かれていると感じました。インターネットは米国生まれですが、今や米国文化とは無関係です。米国政策の支持率は、質問のしかたによってその数字はいかようにも変わります。内容を示さず数字だけ示すのは、作為的です。「基本政策」について、それに不支持率を示せばはっきりするはずです。(2011/02/16)

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