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「ムバラク後」のエジプト、経済改革への道のりは遠い?

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2011年3月8日(火)

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David J. Lynch(Bloomberg News記者)
米国時間2011年2月24日更新「 Egypt's Economy Needs to Change. It Won't

 エジプトの首都カイロ中心部にある6階建ての商業施設「アルカディアモール」は、エジプトの先進的な商業街を象徴する存在だった。だが、1月25日に起きた市民による抗議デモの中で放火され、黒こげの廃墟になった。現在、エジプトは欧米の教育を受けた財界出身者ではなく、軍部が統治権を掌握。既に財政赤字を抱えているエジプトの政府支出は増加している。

 これが、ホスニ・ムバラク前大統領の独裁政権が崩壊した後のエジプトの実態だ。だが、投資家らは、「エジプトの将来が不透明な状況でも市場重視の改革策を推し進める」というエジプト政府幹部の主張を好感し、エジプト経済に対して好意的な見方を示している。エジプト株の上場投資信託(ETF)「マーケット・ベクターズ・エジプト・インデックスEFT(EGPT)」は、抗議デモが激化してエジプトの証券取引所が閉鎖した1月27日以降、7%上昇している。

 エジプトの経済改革はこれまでにも何度も行き詰まり、暗礁に乗り上げてきた。軍部など、自由化に消極的だった勢力の権力が強まったことも不安要因だ。こうした中、エジプト経済の競争力が順調に向上するとは考えにくい。米国務省の元政策企画官で、現在は米ワシントンの民間シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)に所属する中東専門家ジョン・オルターマン氏は「短期的には、資本主義肯定論ではなく、資本主義を否定する意見が勢いを増すだろう。こうした状況で、経済改革への取り組みが活発化するとは思えない」と述べる。

 賛否が分かれている一部国営事業の民営化を含め、エジプトの経済改革の取り組みは不十分なものにとどまっている。ムバラク後の新政権にとって、経済改革は引き続き重大な課題だ。公務員の削減や新税の導入は政治的代償が大きく、エジプトの次期指導者にとって重荷となるだろう。エジプトのGDP(国内総生産)の5%以上を占める燃料補助金の削減について、大きな進展は期待しにくい。エジプトのカイロ・アメリカン大学(AUC)のセイマー・ソリマン准教授(政治学)は「現状は補助金を削減できるような環境ではない。むしろ補助金は増額される可能性がある」と見ている。

ベトナムに及ばない経済成長

 米政府やワシントンに拠点を置く国際機関の当局者らは、過去20年あまりにわたって、国家統制が強いエジプト経済について改革を促してきた。経済的に繁栄すれば、安定化が進むと考えていたからだ。エジプトはグローバル化を受け入れ、エリート層は豊かになったが、国民全体がその恩恵を享受するには至っていない。

 世界銀行の調べによれば、エジプト国民全体の約18%、都市部以外の住民の40%が貧困ライン以下の生活水準だ。国際通貨基金(IMF)の元首席エコノミストで、米メディア大手ブルームバーグにコラムを寄稿しているサイモン・ジョンソン氏は「富裕層から貧困層へと豊かさが波及するトリクルダウン効果がない経済政策だ」と述べている。

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