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生活苦、教育費負担、就職難――これを苦に自殺する若者たち

李大統領の公約実現度に厳しい点数

2011年3月10日(木)

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 日本の京都大学の入試で起きた、驚きのカンニング事件は、韓国でも大きな話題になった。カンニングはもちろん良いことではない。その一方で、「学費が安い京都大学に合格して母を安心させたかったという予備校生の言葉は、他人事とは思えない」という反応もかなりあった。韓国でも、行きたい大学ではなく、学費の安い大学に進学するしかない高校生や予備校生がいっぱいいるからだ。

 韓国では学費の負担、就職難、生活苦から希望をなくして自殺する大学生が増えている。物価高騰で家計が苦しく親からの援助は見込めない。
→ 大学に入るまでの教育費だけでなく大学の学費も高すぎる
→ 就職のためにはアメリカで語学研修もしないといけないし、TOEICを受ける費用だってバカにならない
→ 大学の学費と就職のための教育費(TOEIC受験のための英語塾など)を稼ぐため毎日アルバイトしなければならない
→ 親元を離れて大学生活をする学生は家賃、生活費も必要なのでアルバイトの負担が増す
→ 勉強できる時間が減り成績が落ちる
→ 成績が落ちると就職も厳しくなる
→ 就職できないと生活費を稼げなくなり、さらに貧困になる
 この負のスパイラルが止まらないのだ。

就職浪人が増える、サークルも就活に役立つものが人気

 警察庁によると、2009年の大学生(院生)の自殺は268件。20~30代の自殺は2004年の1161件から2009年の1809件に増加している。学費もない、食費もない、就職のめども立たない、といった生活苦による自殺にはもちろん、アルバイトの途中で亡くなる学生の数も増えている。先月は大学に合格した高校生が、学費を稼ぐためにピザ配達のアルバイトをしたところ、交通事故で亡くなる事件があった。1997年のIMF経済危機以降、自殺は一時期減ったものの、2008年の国際金融危機以降の不況によって、また自殺が増え始めたという。

 統計庁の資料では2011年11月の青年失業率は8.5%で、20代の就業者は前年比10万8000人減っている。苦労して大学を卒業しても就職口がないので、わざと留年して卒業を遅らせる。そうするとまたお金がかかる。就職できないと結婚もできない、その結果、子供も生めない、どんどん悪い方へと進むしかない。

 大学時代の楽しみの1つにサークル活動がある。韓国では、就職に結びつくサークルばかりに学生が集まるという。就職のためのグループスタディー、就職のための英語サークル、就職のための論文公募サークルといった具合だ。大学に行くために塾に通い、就職するために大学に通うような生活。何のために生きているんだか、むなしくなる。

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「生活苦、教育費負担、就職難――これを苦に自殺する若者たち」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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