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冷めるサウジ‐米国関係、ナイジェリアにも火種

専門家に聞くオイル危機の深層(2)

2011年3月11日(金)

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 カダフィ大佐が反体制派の退陣要求を拒否するなど、刻々と状況が悪化しているリビア情勢を懸念し、原油市場の動揺が続いている。「専門家に聞くオイル危機の深層」の第2回目は、英バークレイズ・キャピタルでコモディティー分析を担当するアムリタ・セン氏に話を聞いた。

 彼女はリビアの内戦は長期化すると予測し、サウジアラビア東部で動乱が起きる可能性も懸念している。サウジと米国の関係がエジプトでムバラク政権が崩壊して以降、冷え込んでいることも要注意という。さらに、中東諸国の動向に世界の注目が集まる中で、実はナイジェリアも危ないと分析する。

(聞き手は大竹剛=日経ビジネス・ロンドン特派員)

―― まず、リビアの状況をどう見ているか。

 セン 今、リビアは基本的に原油市場の外にある状況だ。何も輸出していない。リビア東部のオイルリッチな地域は反政府側の手に落ちており、彼らは顧客との取引条件を見直すべく交渉しようとしている。これは極めて問題だ。

 一方のカダフィ側はリビア西部を押さえており、内戦のような状況になっている。短期的に輸出が再開される見込みはなく、しかも、リビアに関わってきたオイルメジャーは今後かなりの年数に渡ってリビアへの投資を減速させることになりそうだ。それは、リビア国外の原油生産に対しても悪影響を及ぼしかねない。

―― 1カ月以内にカダフィ大佐が排除され、徐々に正常化していくとの見方もある。

 セン そうは思わない。リビアでは内戦がしばらく継続して、投資は減速し原油生産は落ち込むだろう。リビアが数カ月で原油輸出市場に戻ってくるとは思えない。

―― サウジアラビアが増産に踏み切っても、原油価格は高値で推移している。

 セン 供給に関していえば、サウジは顧客に対して安定供給を続けることを約束している。しかし、北アフリカや中東における不確実要素はあまりにも大きい。この地域は世界最大のオイル・ガス埋蔵拠点で、この地域の国々にも政情不安が波及するのではないかという恐れを市場は抱いている。確かにサウジは増産すると言ったが、サウジ内でも不確実要素が多く市場は非常に懸念している。それは、原油関連のインフラがリスクに曝されているということではなく、むしろ(ニュースに左右される)“ヘッドラインリスク”であり、それが市場をとても神経質にさせている。

今後数カ月は100~120ドル(北海ブレント原油)で推移

―― サウジで動乱が起きる可能性は高いと見るか。

 セン サウジは大丈夫だというのが、我々が望む最良のシナリオだ。国王の人気はほかの中東諸国よりずっと高いし、国民に不満を抱かせないための十分な蓄えも持っている。しかし、動乱が起きる可能性はサウジ東部などで高まっている。

 もしサウジ全体としては大丈夫だったとしても、それは反乱が1つも起きないということを意味するわけではない。シーア派とスンニ派の対立や東西の対立による政情不安は依然としてくすぶっている。全般的な情勢を考慮すれば、サウジでも反乱に直面するリスクは高まっている。しかし、抑え込むことはほかの国と比べれば容易だろう。

 基本的な原油生産状況に関していえば、サウジは需要に見合う十分な余剰生産能力を持っている。しかし、問題はリビア産とサウジ産で原油の品質が異なることだ。リビア産は軽質スイート原油であるのに対し、サウジ産は重質原油だ。品質は厳密には一致しない。(リビア産原油の主な輸出先である)地中海の欧州諸国では、原油精製施設は軽質スイートの原油を必要としている。

 価格予測は提供していないが、明らかに上昇傾向が強い。価格が下がる可能性があるとすれば、それはサウジがさらなる増産に踏み切ると明確に表明する時くらいだろう。ほかの要素はすべて、価格上昇圧力である。今後数カ月は、上昇リスクがありながらも現在の100~120ドル(北海ブレント)の範囲で推移するだろう。

4月のナイジェリア選挙で原油に上昇リスク

―― 今後数カ月、原油価格の動向を見る上で考慮しておくべきポイントは何か。

 セン 現在、状況は日々刻々と変化しており注意深く監視する必要があるが、全体的に最も重要なことは危機がほかの地域に伝播するリスクだ。その第1段階は、まず、アルジェリアやイラン、イラク、サウジといったほかの主要産油国に広がるかどうか。そして、第2段階はサウジ国内で影響を及ぼすかどうか。

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「冷めるサウジ‐米国関係、ナイジェリアにも火種」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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