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9億人のBOP市場

【第3回】低所得者層ビジネスへの参入の糸口は

  • 時吉 康範,安東 守央,渡辺 珠子

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2011年3月18日(金)

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 日本企業のBOP(ベース・オブ・ピラミッド)ビジネスは、ついに実践の段階を迎えた。

 今回は、インドのBOP層の現状とBOPビジネスを実践する上で重要なポイントとなる「現地の事業パートナーとの連携」について解説する。

【現地ルポ編】

 インドの農村部の朝は早い。筆者(渡辺)が滞在していた農村(インド北部にあり、首都デリーからは飛行機と車を乗り継いで半日程かかる場所にある)では人々は朝4時に起きて水浴び、お祈りを済ませた後に農作業に出向く。小麦の種をまく頃に滞在していたこともあり、そのための「土壌づくり」を行う農家が多い。

 近所の村人にお願いして朝の農作業の手伝いをさせてもらった。30平方メートル程の土地を牛に大きな鋤を引かせて掘り起こしていくのだが、鋤や鍬を扱うのは基本的に男性の仕事である。

朝、田起こしの手伝いをしているところ。水を汲んで畑まで持っていくところ。バケツを持っているのが筆者の渡辺

 そこで筆者は奥さんの仕事である水汲みを手伝うことにした。種を植える前に畑の土を一度湿らせておくために、約300~400メートル程度離れた池から水を運ぶ。バケツいっぱいに入った水を運ぶのはかなり重労働だった。

 途中で休みながら進まなければバケツの持ち手が手に食い込んで痛い。日差しを遮るものがないので、暑さが体力を消耗させる。ヒーヒー言いながら水汲みを終わらせた頃にはすっかり背中が痛くなってしまった。

 その帰り道、村の広場で行商人に出会った。行商人は自転車に日用品やアクセサリーなどの商品を積んで村から村へと売り歩いている。砂遊びで使うような小さなバケツが10ルピー、ビンディ(額につけるアクセサリー)は30ルピーと行商人は言う。

小麦粉とアクセサリーを交換

 1人の女性がアクセサリーを品定めし始めた。行商人としばらく話をした彼女は、おもむろに家に戻ると、すぐにビニール袋1杯の小麦粉(約200gはありそうだった)を手に戻ってきた。それを行商人に渡し、アクセサリーを受け取る。物々交換はごく普通に行われているのだ。

 また、ツケで品物を買うことも可能で、さらに、そのツケを労働力で(つまり働いて)支払うことができるそうだ。インドの農村で商売を続けていくためには、物や労働力での取引があることも頭に入れておく必要がありそうだ。

 昼になって、弊社の現地の事業パートナーであるソーシャルカンパニー(以下、A社という)が運営するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)センターを訪れた。インターネットに接続されたパソコンが15台程度並んでいる。

 ここでは、基本的なパソコンの操作方法やインターネットの使い方等を学ぶトレーニングコースも提供している。トレーニング料は受講期間や内容によって異なるが、基本的な使い方であればRs.200(約400円)から受講可能だ。村人は「仕事につくためにはパソコンが使えることが条件になっている」「使えるようになれば、より給料の良い仕事につける」と有料のコースを積極的に受けにきている。

 筆者が滞在した間には、トレーニングコースを修了したある女性がほぼ毎日来て、マーケティング調査の結果を表計算ソフトに打ち込んでいた。38歳の彼女はここで1日6時間、週6日働き約4000ルピー(約8000円)の月収を得ている。「仕事をするようになって収入も増えたことで家族からも感謝されている」と、恥ずかしそうに、しかし、堂々と話をしてくれた。

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