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中国の賃金上昇が世界的インフレの引き金に

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2011年3月15日(火)

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Sophie Leung(Bloomberg News記者)
Simon Kennedy(Bloomberg News記者)

米国時間2011年3月3日更新「 Global Inflation Starts with Chinese Workers

 過去数十年にわたり、中国の安い人件費が世界中でインフレを抑え込む重しになっていた。だが、こうした時代は終わりを迎えようとしている。世界第2位の経済大国となった中国は、大規模な賃上げを奨励している。中国経済の変化が世界中でコストの上昇を促し、企業の利益率を低下させる可能性がある。そうなれば、インフレを懸念する投資家が債券市場から逃げ出す恐れがある。

 中国政府はこうした変化を推し進める重要な役割を果たしている。中国の温家宝首相は3月5日、中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)を招集した。経済成長促進策の一環として中国全土の賃金水準を引き上げる措置について、全人代の承認を求める予定だ。スイスの金融大手クレディ・スイス・グループ(CS)によれば、中国の31の省・直轄市・自治区すべてで、今年は最低賃金が2年連続で引き上げられる見通しだ。

「中国はルイスの転換点を越えた」

 エコノミストらは、抜本的な環境変化が起こりつつあると見ている。日本を除くアジア地域を担当するクレディ・スイスの首席地域エコノミスト、陶冬(ドン・タオ)氏(香港在勤)は「将来の歴史家は2010年を振り返って、その後10年の世界的な生産体制の見直しやインフレをもたらした大きな転換点と見なすだろう。中国での大規模な賃上げがカギになる」と述べる。

 陶氏は、中国は急速に「ルイスの転換点」に近づいていると見る。ルイスの転換点とは、ノーベル経済学賞を受賞した英経済学者アーサー・ルイス氏が提唱した理論で、途上国の経済発展によって余剰労働力が枯渇し、賃金や物価が上昇し、急激なインフレが起こる経済的転機を指す。陶氏の調査チームは1月のリポートで、「中国の場合、2014年までに労働需要が労働供給を上回ることになるだろう」と予想した。

 英銀大手スタンダードチャータードのエコノミスト、魏利(リー・ウェイ)氏(上海在勤)は「中国は既にルイスの転換点に達している可能性がある。中国が今後も年率9~10%の成長を続ければ、賃金の上昇スパイラルが発生し、世界中の物価を押し上げ、債券利回りの上昇(債券価格の下落)を招くことになる」と予想する。

 中国国家統計局によれば、中国のインフレ基調は強まっており、ここ4カ月連続で、インフレ率が4%(2011年の国家目標)を上回る水準で推移している。

中国政府の政策と西部開拓が人件費を引き上げる

 野村証券(NMR)のエコノミスト、孫馳(スン・チー)氏(香港在勤)は「インフレ懸念があるにもかかわらず、中国政府は労働者に消費を促し、食事に困っている貧困世帯を支援し、社会の不安定化を阻止しようとしている」と指摘する。賃上げにより、中国製品の生産コストは上昇する。安い中国製品の流入を懸念する貿易相手国は、中国製品の値上がりを歓迎するだろう。

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