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韓国民の不安を高めた「4日間」

韓国の原子力発電所は安全?

2011年3月31日(木)

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 韓国の春は黄砂と共に訪れる。中国からやってくる黄砂は年々ひどくなっている。駐車場に置いてある車が、まるで砂漠を走ってきたような埃をかぶる。家の中でも空気清浄機が必要なほどだ。

 それに今年は福島原発から漏れ出した放射性物質が風に乗って世界中に広がっているというニュースも流れている。日本と同様に韓国も3月から4月にかけては花見のシーズンである。だが、黄砂と放射性物質への不安から花見客が減りそうだ。

韓国民の不安を高めた「4日間」

 韓国気象庁は「風向きから判断して福島原発の放射性物質は韓国まで届かない、韓国は安全だ」としてきた。ところが3月27日、韓国原子力安全技術院は「韓国の東北部にある江原道で、極微量ではあるが、放射性キセノン(Xe-133)が大気中から検出された」と発表した。続いて28日には環境放射線監視センターが「ソウルの大気中から極微量の放射性ヨード(I-131)が検出された」と発表した。

 韓国内には、政府機関のこうした発表を信頼できないという不満が目につく。江原道の放射性キセノンは23日に検出されていたが、韓国原子力安全技術院はこれを4日経ってから発表した。健康に影響のない数値であっても、「4日も隠した」ことが韓国民の不安につながっている。韓国民は「放射性物質が検出されたことを政府は今後も隠すのではないか」と疑っている。

 ソウルの放射性ヨード(I-131)については「検出されていない」という報道もある。だが、政府がはっきりした情報を公開しないので、韓国民は不安に思っている。

 放射性物質が怖いのは、目に見えないから、そして、直ちに人体へ影響を与えることはなくても将来的に影響を及ぼすかもしれないからである。しかし、それより怖いのは「情報が当てにならない」からではないだろうか。

 韓国のテレビにコメンテーターとして登場する“専門家”の発言も、人によって異なる。「微量であっても放射性物質は人体に影響を与えるので注意すべき」と言う人もいれば、「韓国は安全なので全く問題ない」と言う人もいる。原発の状況や放射性物質がどれぐらい広がっているのかについて、曖昧なことばかりで、何を信じればいいのか分からない状況が2週間以上続いている。

 ネットで「福島原発の放射性物質が韓国に届くのは○○日」といったデマを広げた人を追跡して逮捕したというニュースがあった。「正確な情報」がないからデマがどんどん広がってしまう。

政府の発表は信頼できる?

 多くの韓国民がこう思うようになっている――韓国政府は国民を安心させるために情報を隠している。「実は○○だった」という報道で実態を知るのではないか?

 東亜日報が3月28日に発表した世論調査(20歳以上男女3000人を対象)では、韓国政府による「福島原発事故による放射性物質は韓国までは届かない、安全だ」という発表に対して「政府が発表した通り安全だと思う」と答えた人は5.9%しかいなかった。「絶対に安全なはずがない」26.3%、「短期的に安全でない」12.4%、「長期的に安全でない」55.4%と、不安に思っている人が圧倒的に多かった。

コメント5件コメント/レビュー

日本でも同じジレンマに陥ってその結果が福島原発の事故だと思います。安全か安全でないかの議論はすることが安全を阻害したいい事例だと思います。福島原発もマグニチュード6.5の直下型地震にも耐えられるように設計されていたはずです。確かに地震では大丈夫だったようです。問題はだから安全だと断言してしまうことでしょう。飛行機を考えてみてください。飛行機に乗ることは安全ですか?違いますよね。平均すれば年に1機くらいは事故を起こしています。でも飛行機は危険だから乗らないという人は少数派ではないでしょうか。原発も同じ議論が必要だと思います。どの程度事故がおきる可能性があって、そのときの対策もしっかりしていることを絶えず説明することでしょう。飛行機も乗るときに不時着した時の説明を必ずしますよね。そして、重要なのは、今はこれくらい事故の可能性があるが、今度改良するとその可能性が減りますと。これを繰り返していかないと安全性は向上しません。安全だと言い張って、現状を続ければそれは安全性が向上しないということです。反対派も少しでも問題があれば危険と決め付けてしまうと、結果的に事故を起こす確率を上げることになると理解すべきです。廃止の主張も安全率が低いからダメという主張でないと結果事故の可能性を上げてしまうことになると自覚して欲しいです。(2011/04/02)

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「韓国民の不安を高めた「4日間」」の著者

趙 章恩

趙 章恩(ちょう・ちゃんうん)

ITジャーナリスト

研究者、ジャーナリスト。小学校~高校まで東京で育つ。ソウルの梨花女子大学卒業。東京大学学際情報学府博士課程に在学。日経新聞「ネット時評」、日経パソコン「Korea on the web」などを連載。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本でも同じジレンマに陥ってその結果が福島原発の事故だと思います。安全か安全でないかの議論はすることが安全を阻害したいい事例だと思います。福島原発もマグニチュード6.5の直下型地震にも耐えられるように設計されていたはずです。確かに地震では大丈夫だったようです。問題はだから安全だと断言してしまうことでしょう。飛行機を考えてみてください。飛行機に乗ることは安全ですか?違いますよね。平均すれば年に1機くらいは事故を起こしています。でも飛行機は危険だから乗らないという人は少数派ではないでしょうか。原発も同じ議論が必要だと思います。どの程度事故がおきる可能性があって、そのときの対策もしっかりしていることを絶えず説明することでしょう。飛行機も乗るときに不時着した時の説明を必ずしますよね。そして、重要なのは、今はこれくらい事故の可能性があるが、今度改良するとその可能性が減りますと。これを繰り返していかないと安全性は向上しません。安全だと言い張って、現状を続ければそれは安全性が向上しないということです。反対派も少しでも問題があれば危険と決め付けてしまうと、結果的に事故を起こす確率を上げることになると理解すべきです。廃止の主張も安全率が低いからダメという主張でないと結果事故の可能性を上げてしまうことになると自覚して欲しいです。(2011/04/02)

マグニチュード6.5の直下型地震に耐えられる。ですか、日本で考えると恐ろしく甘い、我が国ではM6.5なんてどこだって起きている。いくら日本列島が太平洋とアジア大陸のプレート歪みを一身に受け止めて韓国は影響を受け難いと言ってもあまりにお粗末ではないか。韓国だって過去には大きな地震は起きているし、特に現在はプレート活動が活発化している時代なので素人判断だがせめてM8.0くらいは見て欲しいものだ。もちろんそれによる津波も当然想定しておくべきだろう。(2011/03/31)

個人的には、福島原発の放射性物質の拡散よりも、黄砂に乗って中国のいろいろな有害物質(公害起因のもの)、ウイルス、そして核実験の放射能残渣が来ないかと心配している。福島原発の放射性物質は偏西風により大部分が太平洋に流れ海で希釈され、放射性ヨウ素は8日間の半減期で減少。一方、日本列島に落ちた黄砂は様々なものを含んで蓄積される。(2011/03/31)

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