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東日本大震災 韓国を悩ます3つの影

第23回:部品素材の対日依存問題が露呈

  • 金 美徳

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2011年4月5日(火)

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 今、世界は、「米国発の金融危機による景気不安」をやっとのことで乗り切った矢先に、「中東発の民主化デモによる原油供給不安」と「日本発の大地震による部品供給および原発不安」というまたもや大きな試練に直面している。原油供給と原発の不安は、ウランか原油かというエネルギー政策の再考を促している。

 また、部品供給不安は、日中韓台など東アジアサプライチェーンや、電子・自動車・航空産業のグローバル部品供給網をいかに修復し、再構築を図るかという難題を突き付けている。これは、世界経済の構造改革を迫る一大事である。

 この矢面に立たされているのが日本だ。東日本大震災の発生直後は、地震の被害をそれほどでもないだろう、またはそう願うが故に楽観視していた。しかし、時がたつにつれ被害は拡大し、2万7000人を超える死者・行方不明者や、福島原発事故による計画停電や放射線汚染などの2次災害が相次ぎ、日本全体が悲観的な空気一色に染まった。

 だがこの悲壮感は、ここへきて日本の復興や再生を決意させる新たなエネルギーに変わろうとしている。日本は、楽観から悲観、再び楽観へと一歩踏み出し始めたように思える。日本がいかなるエネルギー政策を含めた復興戦略をとり、どのように乗り超えるかが注目されている。この日本の前代未聞の経験は、世界のリーダー、経営者、NGO(非政府組織)、市民にとって大変貴重な財産となるだろう。

 韓国もまた、日本の一挙一動に注視している。なぜなら、今回の震災は韓国にも少なからぬ影響を及ぼしているからだ。

 1つ目には、地震や火山に対するリスクの再評価が始まった。
 韓国は、半島なので国土の3方位が海に面しているため津波を受けやすい。また、地震がない国と言われているが、北朝鮮の北部にある白頭山(韓国名:ペクトゥサン、標高2744mの火山)で火山爆発などが起きれば大地震にもなりかねない。

 この危機意識は韓国と北朝鮮の間で一致しており、南北関係が悪化しているのにも関わらず3月29日に「火山問題を協議する南北の民間専門家会議」が開催された。この会議では、白頭山付近で火山ガスの二酸化硫黄が噴出されており、2014~15年頃に噴火の可能性があるとの意見も出たそうだ。

 こうした天災は、北朝鮮からの難民流入や軍事衝突などの事態の引き金ともなりかねない。韓国国家安保戦略研究所によると、急変事態が発生した場合の統一費用は185兆円で、韓国の2010年GDP(国内総生産)の2倍に相当する。国民1人当たりの負担額に換算すれば380万円となる。このような事態が唐突に発生すれば韓国と北朝鮮は、南北共倒れになるというシナリオもある。

部品調達は維持できるのか

 2番目は韓国経済に対する影響にも神経を尖らせている。韓国メディアの日本特派員が、本社からの指示を受けて取材に追われているようだ。

 特に、部品素材の調達が滞ることを心配している。これは、韓国企業の一番の弱みである部品素材の対日依存問題が露呈した格好となった。今や韓国にとって日本は第2位の輸入相手国であり、日本にとっても韓国は第3位の輸出相手国である。もはや、日韓は、もちつもたれつの経済構造にある。

 これまで日本は、ややもすると韓国に部品素材を売ってあげているという上から目線の側面もなきにしも非ずであった。しかし、2008年リーマンショックに伴う日本経済の停滞以降、日本は、韓国が部品素材を買ってくれるので助かるという意識をもち始めており、韓国に対してフラットな目線になりつつある。このパートナーシップと言うべき象徴となるのが、旭化成と東レが韓国に建設する世界最大の生産拠点であろう。

 韓国の政府やシンクタンクなどでは、現時点で東日本大震災による韓国経済への影響について以下の通り分析している。

 韓国外交通商部は、3月14日に震災被害が日韓の貿易に与える影響について「憂慮する水準ではない」と発表した。この根拠としては、サムスン、LG、現代自動車など主要企業グループが、1~3カ月の生産に必要な部品や素材の在庫を確保しているからだ。

 また、大韓商工会議所が3月20日に発表した「東日本大震災による被害状況に関する調査報告書(韓国企業500社対象)」でも、「すでに被害が生じている」と答えた企業が9.3%に過ぎないことから、やはり影響は限定的と見られている。ただ、「事態が長期化すれば被害が予想される」と答えた企業は43%に上る。

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