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中国の民衆は「原発危機」をどう見ているのか

危機発生後も、原発容認が65%

2011年4月8日(金)

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 「絶対に止めたほうがいい! 今すぐ計画、建設、稼働のすべてのプロセスを停止すべきだ!」

 「中国が経済発展していくために原発は必要なんだ。石油は限られているし、石炭は環境に悪い。太陽や風は不安定だ。14億人が食っていくには仕方ないんだ」

 「国民一人ひとりが節制した生活を送ればいいじゃないですか。少しくらい貧しい生活だって、安全で平和な方がいいですよ」

 「別にどっちだっていいよ。俺たちが議論して変わるものでもないんだから」

 「どんな発電でもリスクを伴うだろ! リスクを背負えない、受け入れられないなら国民なんて止めろ!」

 「日本のケースは示唆に富んでいる。中国国内では鉱山、地下鉄、オフィスビルなどの公共の場において、低レベルの建設事故が毎日起きている。国民は緊張する毎日を送っている。仮に原発現場で起きたらどうする? しゃれじゃすまされないぞ」

 「国が原発建設を促進するのはしょうがないと思うけど。少なくとも、うちの近所ではやらないでくれ! 危険で夜も眠れないよ!」

 「別に原子力じゃなくたっていいじゃないか。石炭の割合を減らして、石油に適度に頼って、火力と水力でなんとかなるんじゃないのか」

 「福島の原発は古すぎたんだ。中国はもっと新しい技術を使っていて、安全を確保している。大丈夫だよ」

 「原子力を平和的に利用するのは世界の常識であり、歴史の潮流だ。日本で事故が起きたからといって、一時の感情に任せて、原発が人類にもたらす恩恵を否定するのか。それこそ非国民だ」

 「専門家は『国民に原子力発電所の知識を普及させて、過度に不安にならないようにしよう』と呼びかけている。でも、知識が得たからといって、自信が持てるという根拠はどこにあるんですか? 逆に不安を煽ることにつながりませんか?」

 「原発が必要か必要でないか。国家の核心的利益と、安全保障に関わる問題を一時の感情で決めるべきではない。社会における各界の関係者、もちろん国民も交えて、冷静に、長期的に議論をしていく以外にないでしょう」

中国国民は日本の現状を、当事者意識を持って考えている

 「中国は原子力発電所を建設すべきかどうか?」をめぐる議論が、国会で、教室で、巷で、新聞で、インターネット上で、活発化している。過熱していると言ってもよい。理由は言うまでもない。東日本大震災が起きて原子炉から放射性物質が漏れ、今も恐怖にさらされている隣国・日本の現状を、中国国民は当事者意識を持って考えている。

 マスメディアが、「日本核危機」という若干センセーショナルなタイトルをつけて日本の原発に関する報道を繰り返してきた。国民が必要以上に神経質になるのも無理はない。あらゆる議論、ネット上の反応などを総括してみると、大衆レベルにおける原発建設へのスタンスは、「賛成」・「受け入れられる」が65%、「反対」・「受け入れられない」が35%といったところか。

 筆者の皮膚感覚では、世論が最も敏感な状態にある現段階においても、中国国民の拒否反応は、稼働中の原発の停止や現在建設中の原発の建設中止を求めたりするほど深刻ではない、むしろ、今こそ冷静になって原発と向き合おうという声が主流のようだ。

 新華社通信など「党の代弁機関」としての役割を果たすメディアが、毎日のように「福島の原発から漏洩した放射性物質は確かに中国大陸に流れてきている。政府が探知している。ただし、影響は限定的であり、人体への影響はない。国民の皆さんには安心して生活していただきたい」という主旨の情報を配信している。

 筆者も、同通信が配信する主要ニュースを携帯電話で読んでいる。「日本核危機の中国国内・人民への影響」情報は毎日数回送られてくる。中国の知人が、原発関連の情報を頻繁に転送してくる。パソコン上でメーリングリストを作成し、一次情報を随時共有し、意見交換するためのプラットフォームが続々と構築されている。

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「加藤嘉一の「脱中国論」現代中国を読み解く56のテーゼ」のバックナンバー

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「中国の民衆は「原発危機」をどう見ているのか」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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