• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

原子力発電所は“死との約束”

真実にふたをし、利益追求に走ったツケ

  • business today

バックナンバー

2011年4月7日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

An appointment with death

 ヒロシマは人災で、フクシマは天災だというのは軽薄な発言だ。自然は、銃ではなく引き金にすぎなかった。原子力を考え出したのは人間だ。それは戦争中の発明だった。既に前例のない水準にまで分断され、虐殺が起こっていた対立の時代に、米英の科学者が究極の大量破壊兵器を作り出すために共同で行った「マンハッタン計画」の成果である。

 原子力は、フランスや日本、マハラシュトラ州ジャイタプールへの電力供給のために創造されたものではない。これは人を殺すために生み出された。そして、定期的にその冷酷な牙を剥く。

売り込まれた「コントロール可能な人喰いトラ」というイメージ

 我々は自ら生み出した怪物に心を奪われる。そこには常に弱々しい言い訳が存在する。つまり、フランケンシュタイン博士は自分の作った怪物を、普段は赤ん坊の世話をするロボットだと宣伝していた。だがそれは、怪物が創造主を破壊し、自らの運命を全うするまでの話だった。

 原子力が持つ真の力は破壊だ。このため、「原子力の平和利用は素晴らしい」というイメージを育てるには、多くの作り話が必要だった。きのこ雲はかつて、そして今も、目を逸らすことのできない恐怖の象徴だからだ。

 原子力業界が売り込むべきポイントは馴染みのあるものだった。つまり、この人喰いトラはしつけができているのでコントロール可能だというイメージだ。

 チャンスのあるところに産業は生まれる。このため、この詐欺行為には資金が集まった。業界幹部には潤沢な予算が回っているようだった。利益とは善悪を超越しているものだと我々は考える。利益が不合理なものになる場合は転機が訪れる。利益が危険にさらされれば、我々はその危険を逆手にとって利用する。だが、暴利を貪る輩は、自分の懐事情に関係なく適切な撤退時期をほとんど決められない。そのために法律があるのだ。

 最大の詐欺行為は、原子力発電所は安全だと売り込んでいることである。原子力は本来、大惨事を引き起こす力を持っているのにもかかわらずだ。原子力産業は、トラそのものではなく、檻について詳しく述べることで自らのイメージを描いてきた。

 事故の問題もある。米国のスリーマイル島やソ連のチェルノブイリで実際に起きた事故によって、恐怖が存在することが繰り返し認識できた。だが、「事故はめったに起こらないため、心配する必要はない」と無視してきた。原発反対派は時代錯誤な左翼だとか、偽学者、必ずいるトラブルメーカーだとして笑い者にされた。稀なケースだが、この巨大産業の中にいて、企業方針に逆らって真実を言った人は解雇された。原発関連企業の専門家が秀でているはずの大量の詳細なデータの中で、危険な事実が埋もれてしまっている。

コメント3

「インド発 Business Today」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック