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リビア・カダフィ政権のプロパガンダに加担した“御用学者”たち

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2011年4月13日(水)

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Paul M. Barrett(Bloomberg Businessweekアシスタントマネジングエディター)
米国時間2011年4月6日更新「 The Professors and Qaddafi's Extreme Makeover

 2006年から2年にわたって、10人を超える欧米の一流学者が北アフリカの砂漠地帯にあるリビアを訪問し、「敬愛なる指導者」こと、リビアの最高指導者ムアンマル・カダフィ大佐との懇親を深めていた。カダフィ大佐は、自らが愛用するアラブ系遊牧民ベドウィンの伝統的なテントで学者らを歓待した。プラスチック製のいすに座ってお茶を飲みながら、経済や政治に関して意見を交換したという。

 カダフィ大佐と学者らの親交を取り持ったのは、米コンサルティング大手モニターグループ(本社:マサチューセッツ州ケンブリッジだ。米ハーバード大学経営大学院のマイケル・ポーター教授が1983年に共同で創設したコンサルティング会社で、世界中に1500人の従業員を抱える。

 政治専門紙・情報サイト「ポリティコ」は2月21日、カダフィ政権がモニターグループに対して年300万ドル(約2億5000万円)の報酬と、必要な経費を支払っていた事実を最初に報道した。同社は「リビアへの国際理解と評価の向上を目指す長期継続事業」と称する活動に従事していた。

モニターグループはカダフィ大佐のイメージアップ作戦に従事

 モニターグループは、国際社会で孤立する産油国・リビアの産業振興のため、円卓会議を開催したり、綿密な調査報告書を作成したりしてきた。同社は、カダフィ大佐の次男サイフ・アルイスラム・カダフィ氏が英ロンドン大学経済政治学院(LSE)に提出した博士論文に使用した調査も請け負っていた。

 モニターグループは以前、245万ドル(約2億1000万円)の追加料金で、リビアをPRするための書籍を大量に作成する企画も提案していた。この企画書によれば、この書籍は「カダフィ大佐が自分自身の言葉や世界的に高名な識者との対話を通じて、個人の自由、直接民主主義対代表制民主主義、国家の役割と宗教などに関する同大佐の考えを広報する」ことを目的にしていた。

 この書籍が刊行されることはなかったが、モニターグループは、リビアに関する好意的な見方を世の中に広めた。ポーター教授は2007年2月にBusinessweekのインタビューで、次のように語った。「サイフ・カダフィ氏の尽力で、リビアとモニターグループの交流が深まった。私はサイフ氏とかなり親しくなった。同氏はLSEの博士課程に所属し、世界有数の学者の下で学んでいる。同氏は、リビアを国際社会に仲間入りさせようと熱心に取り組んでいる」。

 モニターグループは、当時米メリーランド大学教授だったベンジャミン・R・バーバー氏を3回にわたってリビアに招待した。バーバー氏は2007年8月15日、「カダフィ政権下のリビアは米国の味方か?」と題した論説を米ワシントン・ポスト紙に寄稿。「何年か前から、無慈悲な独裁者というイメージが定着しているが、カダフィ大佐は実は複眼的で柔軟な発想の持ち主だ」と主張した。

 ハーバード大ケネディ行政大学院のジョセフ・ナイ教授も、カダフィ大佐と面談した。ナイ教授は2007年12月、米ニュー・リパブリック誌で論説を発表し、「カダフィ大佐は1969年以降、リビアの独裁者となった。過去にはテロ支援者でもあった。だが、発想豊かな人物で、新たな戦略を積極的に模索し、直接民主主義に関心を持っている」と述べた。

メディアはモニターグループを糾弾

 だが、有識者によるこれらの主張とは裏腹に、カダフィ大佐は今、リビアの反体制派を皆殺しにすると宣言している。米ボストン・グローブ紙や米マザー・ジョーンズ誌は、カダフィ政権のイメージ向上を狙ったモニターグループのプロパガンダ活動を激しく糾弾。同グループはインターネット上に釈明文を掲載するに至った。

 モニターグループは3月24日付の釈明文で、「カダフィ大佐が自国民に対して武力を行使している現在の惨憺たる状況を見ると、ほんの数年前、多くの人がリビアに希望を抱いていたのは想像しがたいことだ。だが少し前まで、カダフィ大佐はテロ支援をやめ、核兵器や化学兵器の開発を放棄し、国際社会に復帰する姿勢を示していた」と述べた。

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